自殺予防には、精神的不調を自覚したときの援助要請を促進する取り組みが必要である。ヘルスコミュニケーションは公衆衛生施策に不可欠であり、地域ベースのヘルスコミュニケーション事業の展開が自殺予防の援助要請促進にも有効である可能性がある。本研究では、自殺予防の援助要請促進に関して、効果的なヘルスコミュニケーションのあり方を実証的に解明することをめざす。 平成28年度は、メッセージのユーザーテストとヘルスコミュニケーションのアウトカムアセスメントを実施するための評価尺度を開発した。平成29年度は、うつ病発症者に早期受診を促すメッセージを考案し、ユーザーテストを実施した。平成30年度は、うつ病に対する受診意図を高める効果が最も大きく認められた「うつ病は治療が必要です」メッセージを用いて、デザインが有効性に与える影響をさらに追究すると共に、事業所2ヶ所でメッセージを掲示し、その効果を評価した。最終年度は、さらにメッセージ効果を向上させるため、メッセージの反復配信と視覚的デザインの効果を評価した。
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