研究課題/領域番号 |
16K09153
|
研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
松本 珠実 国立保健医療科学院, その他部局等, 客員研究員 (00758469)
|
研究分担者 |
種田 憲一郎 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (10399454)
森永 裕美子 香川大学, 医学部, 教授 (50756591)
川崎 千恵 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (80648212)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 子ども虐待 / 事例分析 / 人材育成 |
研究実績の概要 |
2019年度日本子ども虐待防止学会第25回学術集会神戸大会において「Root Cause Analysis を活用した虐待事例分析法実践ガイドの開発」を発表した。内容については、本分析法の有効性として、①施策化につながる、②支援者として虐待者にも寄り添える、③支援者であるあなたを救う、④論理的思考を培える、⑤経験値を学ぶOJTとなる、⑥経験年数や職種を問わず誰でも事例検討に参加できるという特徴を備えており、虐待の全体像の把握、支援の方向性の検討、支援する側の課題の明確化、地域における虐待予防のための施策化といった分析目的に応じた検討に対して有効であることを示した。本分析法は、対処療法的な支援ではなく、根本原因の解決に向けた組織的な支援方針を打ち出すことが可能であると考えられ、より実践場面での活用可能性の高い実践ガイドの開発ができたと結論づけた。 本分析法は施策化を担う保健師の活用に適していることから、2018年度に作成・印刷した「Root Cause Analysisを活用した虐待事例分析法実践ガイド」を使用し、保健師の人材育成を目的とした研修会で実践した。参加者からは、事例検討会を通じて、他の保健師の援助技術が見える化し、援助に至る保健師の思考プロセスやアセスメントについて明らかになる点に強く関心が寄せられた。今後、保健師の援助技術の向上に向けた活用など、先に占めれされた有効性について、更なる研究の深化が求められている。 実践による援助者の負担感の軽減については、試行過程で認められたものの統計的な有意差まで示すことはできなかったため、試行を重ね他の方法論との比較を行う必要があると考えられた。
|