研究課題/領域番号 |
16K09165
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大島 勉 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (50223805)
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研究分担者 |
槇田 浩史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20199657) [辞退]
佐藤 元 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (70272424)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 麻酔科 / 医療の質 / 安全性 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究の主たる目的は日本における先駆的実例の一つとして麻酔科診療における医療の質・安全性の評価法の一例を提示することである。 アメリカ麻酔科学会で提示された18個の医療の質指標(ASA Qualified Clinical Data Registry)のうちの一つである複合的患者満足度に関して国際的な比較を行った。フランスなどの欧州、アメリカ、そして日本の現状をまとめた総説を現在、臨床麻酔誌に投稿中である。この総説の中でアメリカ麻酔科学会の提言にある患者満足度ならぬ患者経験なる考え方は注目に値する。患者経験調査であれば患者に主観的印象評価を求めるのではなく、受療中に遭遇した具体的事象や体験の有無を訊ねる設計になる。患者経験調査はより客観性を有する医療の質評価データが得られるわけである。今後、自らの医療の質評価法を提示する際にこの考え方は重要な評価概念の一つとして取り入れる予定である。 本研究の重要な活動要素として、諸外国の研究者たちとの連携があった。この秋にはロシアで開催される国際シンポジウムで麻酔科診療における医療の質評価に関する発表をすべく招待され、現在発表の準備中である。内容は個別の医療行為の効果、安全性、効率、患者-医療関係者間の関係、患者満足度・苦情、医療の経費、収益、費用対効果、病院内および地域内における各部門の機能、地域における部門・病院の評価・評判といった観点から麻酔科診療を検討するものである。 最後に、麻酔科診療における安全性に関連して、日常の診療においても安全性を脅かしかねない具体的な一例としての一側肺換気に関する総説に共同著者として参画した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究プロジェクトが先進的でありかつ規模の面でも相当に大掛かりなので、マンパワー、資金、時間といったいずれの研究のための資源の必要投入量は当初の見込みを大きく超えそうである。そうした意味で、進捗状況は遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では、研究代表者一名、研究分担者二名で本研究が開始されたが、現在研究分担者は一名のみの状態である。可能であれば新たな研究分担者の追加も考慮したい。さらに、本研究の完遂には時間をかけることが最も重要だとも考えている。当初3年間の予 定であったが、さらなる一年間の延長も選択肢の一つである。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) H28年度に研究分担者が一名いなくなり、研究の進行具合が当初の計画より遅延し、出張等もキャンセルせざるを得なかった。物品等の購入も慎重になり過ぎたきらいがあったかもしれない。 (使用計画) 次年度に関しては、ロシア出張の予定もあり、研究の進行ペースを上げていきたいと考える。
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