研究課題/領域番号 |
16K09168
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
北浜 紀美子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 看護師 (10770993)
|
研究分担者 |
秋野 裕信 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 教授 (90159335)
藤井 眞砂子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 看護師 (20770994)
笠松 眞吾 福井大学, 学術研究院医学系部門, 技術専門職員 (70574896)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 医療安全 / 院内研修会 / 評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は院内の医療安全研修会の有効性に関するエビデンスを構築し、動画教材ならびに職員全員が受講することの有効性を評価することにある。研究初年度(平成28年度)は現在行っている院内医療安全研修会の有効性の評価項目に関するデータ収集のためのシステムの構築とデータ収集を行った。 研修会の効果を客観的に判定し得る指標として、生体モニターアラームとインフォームド・コンセントに関するデータが挙げられる。生体モニターに関しては各病棟単位でのアラーム履歴を毎月収集するためのシステムを構築し、アラームのリスク別での反応率と反応時間、テクニカルアラーム防止のための一時退床モードの利用率に関してデータを収集した。インフォームド・コンセントでは手術患者を対象にインフォームすべき必須項目を定めて、各診療科でのインフォームド・コンセントの定型文において必須項目(10項目)が網羅されるように指導を行い、各診療科で必須項目が記載されていることを確認した。そして患者・家族が各必須項目を理解したか否かが分かる様に電子カルテ上に承諾書を新規に作成し、平成29年4月から運用を開始した。現在、各手術患者の手術説明において必須項目が実際に記載されているか、手術承諾書で各必須項目を理解したことが明記されているか、手術承諾書に患者・家族の反応が書かれているかデータを集計している。 平成28年度の研究で生体モニターアラームのデータに関しては病棟によってデータのバラツキが大きく、生体モニターアラームに関する院内研修では病棟毎に研修会の有効性を評価する必要があることが判明した。インフォームド・コンセントに関しては必須項目の記載ならびに患者の理解に関しては今後の集計することになるが、患者・家族の反応に関する記載に関しては25%程度の記載率であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生体モニターアラームに関する情報を収集するシステムを構築し、データ集積を開始した。また、インフォームド・コンセントに関しては電子カルテ上の手術説明の各必須項目への患者理解を明記する承諾書の作成がやや遅れたもののデータ収集が可能なシステムを構築することができた。研究協力者に医療情報管理士を組み入れて、インフォームド・コンセントに関するデータ集積が確実に行われるように研究体制の強化を図った。また研究実績の概要には記載しなかったが、研修に用いる動画の作製を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
研修の有効性を評価するためのデータ収集(主に生体モニターアラームとインフォームド・コンセント関係)を継続して行う。全員研修の有効性を評価するためには、e-learningのシステムの構築が必要であり、平成29年度中に電子カルテ上の報告システムにe-learningシステムを設ける。 インフォームド・コンセントに関する研修は次年度e-learningを活用した全員研修を行う予定であり、動画作製については継続して実行する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった動画作製用の消耗品が、研究の遂行上の都合から購入されなかったためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
今年度に購入しなかった動画作製用の消耗品を購入する目的で使用する計画である。
|