研究課題
最終年度に、外部委託による動画研修の導入を試みたが、予算執行上の問題で導入できなかった。そのため、本研究チームによってインターネットで入手可能な動画教材を検討し、評価の高かったチーム医療に関する動画を必須研修で用いた。受講率は100%であった。平成29年度と平成30年度の研修内容はほぼ同等であったが、平成30年度の研修会の満足度は高く、患者誤認の発生件数は約30%低下した。研究期間全体を通じて、2病棟における生体監視モニターのアラーム反応率、電極確認・電波切れ警報積算時間、患者誤認のインシデントレポート数、医師のインシデントレポート数、インフォームドコンセント(IC)を得る際の必須説明項目の記載率、説明に対する患者・家族の反応の記載率をモニターし、平成29年度と最終年度の必須研修会の満足度を評価した。生体監視モニターに関する研修は研究初年度(平成28年度)に心電図モニター画面を動画として供覧して実施した。生体監視モニターのアラーム反応率、電極確認・電波切れ警報積算時間は改善傾向にあったが、その後一部の項目で悪化傾向が見受けられた。患者誤認インシデント数は動画を用いた研修を行った最終年度に減少した。医師インシデント報告の推進に関する研修は平成29年度に座学で実施し、平成29年度の報告数は増加したが、平成30年度には減少傾向となった。ICに関して平成28年度に座学による研修を行い、その後、必須説明項目の記載率、説明に対する患者・家族の反応の記載率が向上したが、医療安全管理部から毎月、記載に関する各診療科への指導があり、研修会の効果とは判断できなかった。平成29年度にチーム医療に関する動画を必須研修に用い、研修会満足度の向上、患者誤認インシデント数の減少を認めた。動画の研修効果の向上効果に関して、結論付けることは困難なところもあるが、動画を研修に用いることの有用性が認められた結果であると示唆された。
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