研究課題/領域番号 |
16K09170
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大西 丈二 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90432278)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地域医療 / 地域包括ケア / 高齢者 / 総合評価 |
研究実績の概要 |
研究協力を得ている町にて、65歳以上の高齢住民を対象とし、過去に行った質問紙調査データに、自動車運転と社会的活動など、新たな分析を加え、知見を得た。追加的分析を行うにあたり、高齢者総合評価に関する文献調査を追加し、改めて生命倫理委員会による承認を得た上で、特に高齢者の自動車運転に着目し、高齢者総合評価と社会参加、フレイル(虚弱)、介護・介助の必要性との関連について分析を行った。自動車運転を継続する高齢者はADLが保たれている者が多く、心身の状態もよく、社会的活動も多かったが、まだ運転を続けることがそれらに良い効果を与えるかどうかはわかっていない。自動車運転については、本人または家族の運転と、療養場所には強い関連があった。2018年度は、厚生労働省にて新たに開始された「要介護認定情報・介護レセプト等情報の第三者提供」の制度を利用し、高齢者の状態別介護サービス利用量について分析し、本研究課題の「地域在住高齢者の療養状況に関する研究」を行い、利用しているサービスから要介護高齢者の状態像を推測した。この分析を通し、利用しているサービスと高齢者総合評価の関連に関する新しい知見を得た。また、研究実施地域において、施行的なインタビューを行い、ここまで行えていなかった高齢者本人および家族の満足感に関する調査計画をより実現しやすい内容に修正した。満足感については地域性も大きく、地域情報を十分考慮した調査、解釈が必要であることが知られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究フィールドとしている町において、町立病院の新築移転が2019年度に予定されており、データ収集を2018年度中に終了することができなかった。また、介護分野の主要なデータとなる日常生活圏域ニーズ調査も2019年度に実施される予定であり、これらのデータの一部も活用するため、研究期間を1年間延期した。
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今後の研究の推進方策 |
町立病院新築移転および第8期介護保険事業計画策定を機に、協力町との協働を強め、確実なデータ収集と、ビックデータとしての分析、まとめを遂行する。ここまで、まだ実施できていない高齢者本人および家族の満足感に関する研究も加える。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象病院の移転予定に伴い、データ収集に遅れが生じ、「療養に関する本人および家族の満足度、および今後の療養場所に関する希望調査」などの研究を行うことができておらず、1年間の延期せざるを得なかった。よって、次年度使用分は、対象病院でのデータ収集、データマネジメントに使用する予定である。
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