研究課題
高知大学医学部附属病院のデータを対象としたテキスト情報と処方オーダデータを利用したクラスタリング結果について妥当性の評価及び結果の特徴について評価を行った。特定の診療科に対象データを限定することで、クラスタリング精度の向上が図れること、特定の疾患名や状態がより選択されやすいことが起き、その結果として同じような背景を持つ患者が同一診療科に受診していることがデータとして把握することが可能になったことを確認した。また、これらのクラスタリング結果は、各疾患についての典型的なカルテ記載パターンとしてフェノタイプ表現の基礎データとしても有用なこと、そして典型的な処方パターンを抽出することが可能なことを確認した。今後検査オーダ情報も入力データに加えて、個別オーダパターンの評価を行うことで保険病名の典型的なパターンをデータから抽出することが期待できるが、対象とする診療科によってこれらのパターンは異なるため、適切に選択することが必要である。また、長期的な予後についての予測モデルとして検査値が閾値を下回ることをイベントした生存時間解析で行い、病院情報システムでの問題点の考察を行った。一般に言われている、来院歴の情報によって検査履歴が強く依存していることに加えて、医師の臨床判断によって実施検査項目が決定されるため、必ずしも解析に十分に耐えうるデータ件数が得られない患者数が多いことが確認された。ただし、患者数初期数自体は多いから解析自体は実施可能な状態であることも確認できた。これらの長時間解析の結果から、テキスト情報による既往歴などの背景因子情報抽出によって、得られた単語情報を医師の臨床判断が反映された特徴量として、前提情報として予後予測に期待できることが考察された。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Clinical and Experimental Nephrology
巻: 22 ページ: 1281~1293
10.1007/s10157-018-1571-5