研究課題/領域番号 |
16K09173
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
栗原 幸男 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 教授 (00215071)
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研究分担者 |
近藤 博史 鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (70186857)
石田 博 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50176195)
木村 映善 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (20363244)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療情報学 / EHR / 標準化 / 情報基盤 |
研究実績の概要 |
本研究者等が作成した患者プロファイル情報の暫定標準データ項目が各医療機関でどの程度整備されているかを調査したデータの分析を主に行った。収集された61医療機関で導入されている病院情報システムは7ベンダーのシステムであった(1医療機関はベンダーの回答なし)。多い順にA社、B社等々とすると、A社27病院、B社14病院、C社7病院、D社5病院、E社4病院、F社とG社が各1病院であった。暫定標準データ項目は239項目あるが、患者プロファイル情報として整備されていたのは平均74項目であったが、全医療機関が共通に整備していた項目はわずかに1項目であった。逆に、どこかの医療機関が整備していた項目は225項目あり、患者プロファイル情報の標準化を進め、医療機関間で患者プロファイル情報を共有できるようにすることが、患者プロファイル全体を把握できるようにする上で有効であることが確認された。医療機関間で整備している患者プロファイル情報項目が大きく異なるため、共有化において優先度の高い項目から標準データ項目として設定することが実用的と考えられる。 患者プロファイル情報の標準化の方法として、現在利用頻度の高まっているSS-MIX (Standard Structured Medical Information eXchange) version2の枠組みの中で患者プロファイル情報を規定することを検討したが、現行のSS-MIX2規約ではデータ活用上不十分な点が多くあるのため、SS-MIX2の枠組みを利用しつつ患者プロファイル情報の交換規約として独立に定義する方式も引き続き検討することとした。 医療情報連携基盤の下で患者プロファイル情報を共有できるフレームワークにつての検討は、患者プロファイル情報の標準化方式の検討が進まないこともあり、あまり進展しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行調査した患者プロファイル情報の暫定標準データ項目整備状況に関する分析に労力を要し、実用的な標準規格に関する調査・検討が行えなかった。また、標準規格のデザインが進まなかったため、医療情報連携基盤の下で患者プロファイル情報を共有できるフレームワークにつての検討もあまり進展しなかった。ただし、患者プロファイル情報の標準規格化方式の選択肢の検討は進めており、方針が確定すれば、研究の遅れは取り戻せると予想している。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度に実施した患者プロファイル情報の暫定標準データ項目整備状況調査の分析結果に基づき、標準データ項目の候補を設定し、医療者に対する必要度調査を実施する。調査結果に基づき、実用的な標準データ項目構成を決定する。これに並行して、準拠するデータ交換標準規格を選定し、患者プロファイル情報のデータ交換規格を作成する。また、稼働している地域医療ネットワークにおいて患者プロファイル情報のデータ交換規格をどのように使用するのが実用的かの検討を行う。 なお、H29年度早期(6月までに)に研究分担者および連携研究者を交えてた小研究会を開催し、上記方針について検討し、必要があれば修正し、研究の推進を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究で提案するPPIの標準データ項目セットに関する必要度調査を商用のWebアンケートシステムを利用し実施する計画であったが、その前提となる暫定標準データ項目セットの医療機関保有率分析に時間を要したため、標準データ項目セットの作成が遅れた。その結果、商用のWebアンケートシステムによる調査が実施できなかったため、その関連予算が次年度繰越となった。これ以外の予算執行はほぼ予定通りに行われた。
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次年度使用額の使用計画 |
H29年度早期にWebアンケート調査により必要度を評価する標準データ項目を抽出し、H29年度前半に調査を実施し、次年度繰越予算を執行する。
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