研究課題/領域番号 |
16K09173
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
栗原 幸男 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 教授 (00215071)
|
研究分担者 |
近藤 博史 鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (70186857)
石田 博 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50176195)
木村 映善 国立保健医療科学院, その他部局等, 統括研究官 (20363244)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 医療情報 / EHR / 標準化 / 情報基盤 |
研究実績の概要 |
本研究の要である患者プロファイル情報(PPI:Patient Profile Information)の標準データ項目を設定する方法として、PPIを利用する頻度の高い臨床意思決定支援(CDS:Clinical Decision Support)に着目して、PPIのデータ項目の同定と構成を検討することとした。 CDSの標準化では、CDSの機能分類の標準化とCDSで使用する患者情報のデータ構成のモデル化が行われている。CDSの患者情報の情報区分とPPIの情報区分は共通する部分が多く、PPIの標準データ構成を検討する上で参考になることが分かった。しかし、具体的なデータ項目はCDSの個々の機能で設定されるため、標準的なデータ項目構成が設定されている訳ではなく、直ちにPPIの標準データ項目構成を決められるものでないことも明らかになった。 この調査研究の中で、異なるCDSシステム間で同じリソースを利用できるようにするための枠組みとして、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)ベースに実現する方法が検討されていることが分かった。PPIを医療機関間での共通の医療情報資源と捉えて、それを共同利用する枠組みとしてFHIRを考えれば、特別な新たなフレームワークは必要ないことになる。国内では、SS-MIX (Standard Structured Medical Information eXchange) version2(SS-MIX2)の枠組みが広く利用されているが、これは日本独自のものであり、世界標準からは外れている(記述方式はHL7に準拠しているが)。本研究者等もPPIを共同利用するフレームワークとして、SS-MIX2を意識したフレームワークを検討していたが、それにあまり拘らずにPPIの標準化を進めることが可能であることが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
患者プロファイル情報が臨床意思決定支援において重要な情報との観点から臨床意思決定支援において必要なデータ項目との対応で、患者プロファイル情報のデータ項目を選定する手法を検討とした。しかし、臨床意思決定支援においてもデータ項目自体の標準化はされておらず、十分参考にできるものではなかった。また、H30年度後半は業務が多忙となり、研究方法の変更が行えず、研究を進めることができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
予定の研究期間を1年延長して取り組む本年度の方針としては、患者プロファイル情報の標準化のあり方について海外での取組も参考に見直しを行い、患者プロファイル情報の標準データ項目セットとしてできるだけ実用的な有用なを提案することで、本研究の基本目標を達成できるように努める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
患者プロファイル情報の標準データ構成に関する検討は予定通り進まなかったため、考案標準規格に対するWebアンケート調査が実施出来なかった。そのため、その予定経費が残ったこととオープンジャーナルへの論文投稿ができなかったことが主な要因である。また、研究分担者が都合により旅費を執行出来なかったことも加わり、繰り越し金額が大きくなった。 繰り越した経費については、本年度の研究活動を実施できるように、調査旅費と成果発表旅費に一部振り替え、その分アンケート調査は経費を押さた方式で実施する。また、論文投稿費は当初の目的で使用する。経費を残した研究分担者には研究打ち合わせ旅費と研究発表旅費として本年度使用してもらう。
|