研究課題
平成28年度は、ストレス評価法の確立を目指し、診療以外のストレス環境下での生理学的ストレス評価と唾液中アミラーゼ測定による生化学的ストレス評価を行った。また、コントロール目的に日常生活(安静時、日内変動、食前後、運動不可前後)での測定も行った。平成29年度に入ると、腹腔鏡下手術トレーニング用のドライボックスを用い、縫合結紮練習後の変化を測定した。被験者は医学部実習生、外科後期研修医、ポスドク(10~13年目外科医)、指導医で全ての世代において練習後のストレス評価測定項目の上昇を認めたが、その程度には差を認め、トレーニングの修練数やキャリアによる差異が存在することを確認できた。実臨床では、手術操作に影響しない範囲で測定を開始し、血圧、動脈血酸素飽和度、唾液中アミラーゼ活性については、手術前後の測定を行った。胸部貼付型の心拍数モニターについては、まずは申請者自身が違和感を感じることがないレベルまで日常的に装着し、執刀以外の第一、第二助手での測定を行った。対象手術は定型的に問題なく行えると判断された腹腔鏡下胆嚢摘出と小範囲の肝切除術としている。その後、心拍モニター装着の被験者を増やし、執刀医の測定や対象手術の拡張を進めた。平成30年度に入ると、申請者の専門である肝切除術で対象術式の拡張を行い、肝外側区域切除や肝左葉切除でも測定を行った。また、働き方改革問題も鑑み、当直明け手術での測定も行い、通常待機手術と比較した。臨床測定での期間中において、ストレスが大きくかかると思われるような術中偶発症(大量出血や他臓器損傷など)はなかった。データ解析の途中では術後の唾液アミラーゼ上昇は確認できたが、年齢、性別、個人の性格等でもストレスの感じ方が異なってくる傾向もあるため、その点については測定被験者を増やしたり測定回数を増やすなど更なる工夫を行っている。
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