研究課題
2008年、WHO(世界保健機構)は手術関連の死亡・重大合併症を世界規模で減少させるために、医療安全を簡素かつ確実に図るためのコミュニケーションツールとなる手術安全チェックリスト(CL)を発表した。ただし、このCLは全身麻酔下における手術を前提として作成されたものであるため、局所麻酔下における口腔外科手術での使用にはさまざまな変更が必要となる。そこで我々は、第61回日本口腔外科学会総会・学術大会公募workshopにて「局所麻酔下の口腔外科手術におけるsurgical safety checklistの必要性とデザイン」を報告した。その結果から、我が国における局所麻酔下の口腔外科手術の現状にマッチしたCLのデザインを検討し、試作段階のチェックリスト作成した。2017年は、当研究の条件に合うような、日本歯科大学附属病院口腔外科でのインシデント・アクシデントの症例を収集する予定であったが、該当するような症例が少なく、チェックリストの作成の参考材料にはならないと判断し、方向性を変更し研究者間での意見交換により試作チェックリストのバージョンアップを行った。まずは、現段階のチェックリストを日本歯科大学附属病院口腔外科にて試作使用する予定まで進んでいた。しかし、研究責任者が退職するため、診療や調査ができず、課題の円滑な進行が困難と判断したため、事業廃止となった。