研究課題/領域番号 |
16K09192
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
新原 寿志 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 准教授 (70319523)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 鍼灸 / リスク管理 / 安全教育 / 卒後教育 |
研究実績の概要 |
(公財)東洋療法研修試験財団認定生涯研修会(以下、生涯研修会と称す)と(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修講座(以下、講座と称す)を対象にリスク管理に関する卒後教育の現状を調査した。生涯研修会は、東洋療法系団体が自らが主催する研修会を生涯研修会として東洋療法研修試験財団へ申請し認定されたものであり、多くの鍼灸関連団体が申請し認定を受けている卒後教育制度である。また全日本鍼灸学会は国内唯一の法人格を有する鍼灸の学術団体である。 調査の結果、平成26年度の生涯研修会の主催団体は73団体で延べ3,404単位、平成27年度では73団体で延べ3,173単位であり、うち鍼灸のリスク管理に関する研修会は各々19団体(19/73=26.0%)65単位(65/3,404=1.9%)と8団体(8/73=11.0%)21単位(21/3,173=0.7%)であった。一方、平成26年度の講座の主催団体は32団体157演題、平成27年度では39団体186演題であり、そのうち鍼灸のリスク管理に関する講座は両年度とも4団体(4/32=12.5%、4/39=10.3%)6演題(6/157=3.8%、6/186=3.2%)であった。両年を通じ、リスク管理に関する研修会の内容は、リスク管理全般31単位、救命講習27単位、感染12単位の順に多く、講座ではリスク管理全般(4演題)が最も多かった。 本調査から国内における鍼灸のリスク管理に関する卒後教育は十分とは言えない現状が示唆され、今後、各団体にリスク管理に関する研修会を定期的に開催するよう働きかける必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成28年度は、鍼灸関連団体が主催する研修会における安全教育(卒後教育)と実技講習およびボランティア活動時の安全対策について調査する予定であったが、これら団体の理事会承認が予定よりもずれ込み年度内の実施が困難であると予想されたことから、代替の調査として、(公財)東洋療法研修試験財団認定生涯研修会と(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修講座を対象としたリスク管理に関する卒後教育の調査を行った。当初の予定していた調査は、平成29年度に実施する予定であるが、研究代表者の転職(平成29年4月)に伴い調査開始は夏頃になると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
諸々の事情により当初の予定から大幅に遅れている。そのため早期(平成29年5月)に連携研究者および研究協力者と会議を開き計画の見直しを行うとともに夏の調査開始に向けて準備を行う。 平成29年度は、1) 前年度実施予定であった鍼灸関連団体が主催する研修会における安全教育と実技講習あるいはボランティア活動時の安全対策に関する調査、2) 開業鍼灸院を対象とした有害事象と安全対策に関する調査を実施する予定である。 また前年度に行った代替調査の結果は、平成29年6月10-11日に開催される第66回(公社)全日本鍼灸学会学術大会(東京大会)で発表する。合わせて学術雑誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
鍼灸関連団体が主催する研修会における安全教育と実技講習およびボランティア活動時の安全対策について調査する予定であったが、これら団体の理事会承認が予定よりもずれ込み年度内の実施が困難であると予想されたことから、比較的予算のかからない簡易の代替調査に切り替えこれを実施したため次年度使用額が生じた。なお代替調査は、本来の研究の目的(卒後の安全教育の現状調査)に沿ったものである。
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次年度使用額の使用計画 |
調査対象の団体の理事会承認が得られたことから、前年度予定していた調査を次年度に実施する予定である。ただし、研究代表者が転職したため調査は夏頃の開始を予定している。
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