研究課題/領域番号 |
16K09196
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研究機関 | 東京都立多摩総合医療センター(臨床研究・教育研修センター(臨床研究部)) |
研究代表者 |
本田 仁 東京都立多摩総合医療センター(臨床研究・教育研修センター(臨床研究部)), 感染症科, 医長 (10770860)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 抗菌薬適正使用 / 広域抗菌薬 / 処方後監査 / 薬剤耐性対策 |
研究実績の概要 |
日本を含め、全世界的に多剤耐性菌の出現が医療現場で大きな問題であり、この問題に広域抗菌薬の過剰な使用が寄与している ことが示唆されている。そのた め多剤耐性菌が発生しないような対策が構築されることがより重要であり、病院レベルでの抗菌薬スチュワードシッププログラム(antimicrobial stewardship program)という概念は多剤耐性菌の発生を防ぐ感染症対策として提唱されている。本研究では日本の高次医療機関での抗菌薬スチュワードシッププログラムの根幹である、広域抗菌薬処方後の抗菌薬使用の監査の効果の評価とその抗菌薬スチュワードシッププログラムが及ぼす長期の臨床的なアウトカムについて評価、 検討することが目的である。 本研究ではカルバペネム系抗菌薬に加え、それ以外の抗緑膿菌作用を有する広域抗菌薬(ピペラシリン/タゾバクタム、セフェピ ム、フ ルオロキノロン系抗菌薬)における抗菌薬スチュワードシッププログラムの導入による効果を介入導入前後、本邦の高次医療機関における抗菌薬スチュワードシッププログラムの長期的な効果を評価することが今回の研究の期間中にあきらかにすることである。 広域抗菌薬(カルバペネム系抗菌薬、ピペラシリ ン/タゾバクタム)の処方後監査を導入し、これらの対策導入後の広域抗菌薬の使用量の推移を評価する。さらにセフェピム、フルオロキノロンと上記広域抗菌薬よりも狭域抗菌薬の使用量の変化を評価する。これらの抗菌薬の使用量の評価は1,000 patient-daysあたりのday of therapy (DOT) という形で評価を行い、使用量の統計学的な評価は分割時系列解析という手法を用いて、時間軸に配慮した形での統計学的考察を行う。また患者関連アウトカムである、平均在院日数、院内死亡率、C. difficile 感染症の発生率の経時的変化も評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに2編関連する論文が英語査読論文として出されており、さらには後に一論文提出している。さらには海外の学会にも発表を重ねており、順調に経過している。
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今後の研究の推進方策 |
2019年4月に米国の医療疫学の学会で1演題の発表を終了しており、現在、論文投稿中である。その研究成果の終了をもって本研究は終了する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年4月に学会発表と論文作成が2019年度まで延長したため。
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