研究課題
自殺を企図した経口的な薬物摂取の症例に関して、死後CT画像上において、薬物摂取を示すCT画像所見(胃・十二指腸内のX線高吸収物)が出現する頻度(87%)、摂取した薬物の種類と血中濃度、そして遺体発見現場における捜査情報との関連など、研究結果を英語論文誌に掲載した。対象が身元不明の死体であることも少なくない法医解剖症例について、死者の生前における医学情報は、質・量ともに事前に得られることが限られる。死後CTにより、解剖前に薬物摂取の可能性が示唆できることは、解剖者・司法関係者にとって有用な情報である。死体における頚椎損傷に関して、致死的損傷である頚髄損傷、すなわち頚髄内の微小な出血を、死後CT画像上で直接検出することは非常に困難である。そこで、直接的なCT画像所見ではなく、頚椎・頚髄損傷を示し得る間接的な所見、例えば、頚椎周囲の軟部組織の腫脹、頚椎アライメントの乱れ、椎体間の離開損傷を示す椎間板内ガスの存在などによる多断面再構成画像を使用した診断率について、論文を投稿中である。風呂溺については、解析できる症例数を蓄積中できなかった。
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