死後CTによる薬物中毒死に関する研究結果について、自殺企図による経口的な薬物摂取の23症例を対象にしてのみだが、薬物摂取を示すCT画像所見(胃・十二指腸内のX線高吸収物)が出現する頻度、遺体発見現場における捜査情報との関連などを調査した。結果、遺書あるいは薬包などとともに、23例中20例(87%)に胃・十二指腸内のX線高吸収物がみられることが分かった。頚部損傷に関しては、周囲軟部組織の腫脹、頚椎配列の乱れ、椎体間の離開損傷を示す椎間板内ガスの存在などにより、診断可能である症例が少なからずあることが分かった。風呂溺については、解析できる症例数を蓄積できなかった。
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