マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)タンデム質量分析法 (MS/MS)を用い組織中の薬毒物を直接定量する方法を開発した。解剖時に薬毒物定量のために採取した組織から厚さ20 μmの凍結切片を作成した(今回はdiphenidine中毒)。プレート上に標準溶液、その上に作成した凍結切片をのせ、matrix剤を噴霧し、MALDI-MS/MS装置を用いてdiphenidineを標準添加法で定量した。この結果をForensic Toxicology 34:151, 2016で報告した。さらに超高感度定量法を考案し、今まで原因が不明であった数例の中毒における原因物質の危険ドラッグを特定した。
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