研究課題/領域番号 |
16K09218
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
前田 秀将 東京医科大学, 医学部, 講師 (60407963)
|
研究分担者 |
吉田 謙一 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (40166947)
川原 玄理 東京医科大学, 医学部, 講師 (40743331)
林 由起子 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (50238135)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ゼブラフィッシュ / 危険ドラッグ / 異常行動 / カタレプシー / 徐脈 / スクリーニング |
研究実績の概要 |
危険ドラッグの中でカンナビノイド(CB)と構造が類似した化合物がつき次に合成され、幻覚や異常行動から危険運転や突然死を惹起し社会問題化されている。本研究の前段階として合成CB系薬物の1つであMDMB-CHIMICAをラットに投与し、その生理学的変化(血圧、脈拍、体温)、血液生化学的検査、組織学的検査および行動を観察した。またCB受容体(CB1およびCB2)のアンタゴニストを投与し同様に観察した。その結果、MDMB-CHIMICA投与後、顕著な除脈が認められた。こらはCB1レセプターアンタゴニストがCB2レセプターアンタゴニストより強く抑制した。行動は投与後約5分間はカタレプシー様に無動となり、その後小刺激によって四肢伸展しながら転げまわるなどの異常行動が観察された。これをだいたい四頭筋でモニタリングしたところ、強い活動電位が確認され、これもまた優位にCB1レセプターアンタゴニストが抑えることが確認できた。次に、ゼブラフィッシュにおいて時系列で移動距離、速度および加速度等をしればるとともに組織学検査にて変化を観察する予定である。25B-NBOMeにおいてはゼブラフィッシュにおいて骨格筋の破たんを確認している。これについては論文として報告している。Genri Kawahara, Hideyuki Maeda, Ruri Kikura-Hanajiri, Ken-ichi Yoshida, Yukiko K. Hayashi The psychoactive drug 25B-NBOMe recapitulates rhabdomyolysis in zebrafish larvae Forensic Toxicol (2017). doi:10.1007/s11419-017-0366-9 学会発表としては第85回日本法医学会学術関東地方集会および第178回東京医科大学医学会総会で発表している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
危険ドラッグの入手困難な状況およびゼブラフィッシュにおける飼育のハンドリング。ただし、後者は完全に克服している。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、危険ドラッグ投与・横紋筋融解の“マーカー”となる遺伝子を見出し、責任5-HT受容体を決定し、横紋筋融解に寄与する経路や機序を解明する。そして、その危険ドラッグをラットに投与し、骨格筋に、Zfと同様の“マーカー”分子の発現および、横紋筋融解に矛盾ない結果を組織及び血液生化学検査によって認めるかを確認し、さらに、危険ドラッグによる横紋筋融解症死亡例の骨格筋の“マーカー”分子発現を検証する。そして、道の危険ドラッグに対してもそのスクリーニングシステム作成のために努める。現在MDMB-CHIMICをゼブラフィッシュに投与してラットと同じような現象が起こるかどうかを確認しているところである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実体顕微鏡購入選定に時間がかかってしまった。
|
次年度使用額の使用計画 |
当初の計画通り実体顕微鏡を購入し、遅くとも平成29年5月に設置予定である。
|