研究課題/領域番号 |
16K09219
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
平井 宗一 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70516054)
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研究分担者 |
吉田 謙一 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (40166947)
前田 秀将 東京医科大学, 医学部, 講師 (60407963)
畑山 直之 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80534792)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 低酸素 / 呼吸中枢 / 睡眠時無呼吸 |
研究実績の概要 |
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、睡眠時(無意識下)に舌根沈下などにより、気道が閉塞され、間歇的に呼吸停止または低呼吸が生じるため、低酸素状態が繰り返される病態である。しかし、これまで用いられてきたOSAS病態解析のための動物モデルは,いずれも‘意識下’かつ間歇的に“低酸素に暴露する”という点で、実際のOSASの状態とは異なる。本研究は‘無意識下’かつ間歇的に“室内気で気道を閉塞させる”ことで、OSASの臨床病態を再現する動物モデル(無意識下間歇的気道閉塞モデル)の作製を行なった。 対象はC57/BL6マウスを使用した。麻酔により無意識とする一方で、呼吸抑制が少ない条件(1分当たり80~120回)で実験を行うために、麻酔薬の濃度を決める実験を行なった。その結果、ペントバルビツール系麻酔薬を体重(g)あたり、0.648mgを腹腔内注射し、呼吸を確認の上、実験を行うこととした。実験は、閉塞群と無酸素吸入群を作成し、比較検討した。閉塞群は,10秒間隔で気道の閉塞を、無酸素吸入群では無酸素吸入を繰り返しました。コントロール群は麻酔をかけたのみとした。結果は、閉塞群では、呼吸数の有意な経時的変化はみられなかったが、無酸素吸入群では有意な呼吸低下後、呼吸停止となった。本実験により、気道閉塞と無酸素吸入は異なるモデルであることが示唆された。無意識下間歇的気道閉塞モデルは、OSASの病態解明の新たな動物モデルとして有用であると考えられ、来年度以降の詳しい解析に期待がもてる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
睡眠時無呼吸症候群は、大きく中枢性と閉塞性に分類される。睡眠時無呼吸症候群の症例の多くが、舌根沈下などにより気道が閉塞され、間歇的に呼吸停止または低呼吸が生じる病態である。これまで、睡眠時無呼吸症候群のモデルとして、‘意識下’かつ間歇的に“低酸素に暴露する”モデルにて解析を行ってきた。申請者は、既存のモデルが、睡眠時無呼吸症候群の病態を表現しているのかに疑問をもった。そこで、本年度は、新たなモデル作りに挑戦した。既存のモデルとの違いを明確できた点で、大きく進捗したと言える。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度に、既存のモデルと表現系が異なる、新たな閉塞性睡眠時無呼吸症候群のモデルを確立した。今後は、このモデルを用いて、解析を進めていく予定にしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度にモデルマウスを立ち上げ、その解析を2018年度に行う計画にしたため、それに伴い、消耗品の購入を2018年度に行うこととした。
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