研究課題
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OAS)は,睡眠時(無意識下)に舌根沈下などにより,気道が閉塞され,間歇的に呼吸停止または低呼吸が生じるため,低酸素状態が繰り返される病態である.しかし,これまで用いられてきたOAS病態解析のための動物モデルは,いずれも‘意識下’かつ間歇的に“低酸素に暴露する”という点で,実際のOASの状態とは異なる.本研究は‘無意識下’かつ間歇的に“室内気で気道を閉塞させる”ことで,OASの臨床病態を再現する動物モデル(無意識下間歇的気道閉塞モデル)の作製を目的としたものである.呼吸数に影響を及ぼさない量の麻酔を施し,睡眠(無意識)状態としたマウスに対して,前年度は間歇的(10秒間隔)に,口腔・鼻腔の閉塞を繰り返す群(Group A)と無酸素(窒素100%)を吸入させる群(Group B)を作製し,呼吸数を計測した.今年度は、間歇的に閉塞する時間および呼吸する時間をそれぞれ,10秒,20秒,30秒間隔にし,呼吸数の違いを計測した.10秒群では,呼吸停止しなかったのに対し,20秒群では,平均636秒,30秒群では,平均550秒にて呼吸停止に至った.1サイクル内での開放・閉塞の時間の割合はすべての群において1:1にもかかわらず,呼吸停止までの時間が異なることは,閉塞の回数ではなくて,1回あたりの閉塞時間が呼吸停止に影響することが本研究にて,明らかになった.
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