研究課題/領域番号 |
16K09236
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
間宮 敬子 信州大学, 医学部附属病院, 教授(寄附金) (80231603)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / プレガバリン / 注腸投与 / ラット |
研究実績の概要 |
平成28年度は、神経障害性痛モデルラットにプレガバリンと生理食塩水を注腸投与した際の、Hot plate test、Von Fryfilamentを使用した行動学テストを用いた疼痛閾値の比較検討と神経障害性痛モデルラットにプレガバリンと生理食塩水を注腸投与し、脊髄後角ニューロンでのin vivo パッチクランプ記録による鎮痛効果の比較検討を行う予定であった。 研究代表者は旭川医科大学から信州大学に赴任して2年目であるため、信州大学の基礎実験に関するシステムを学習し、信州大学麻酔科に基礎実験を行う際の場所の提供、実験機器の使用許可をお願いし、実際にどのような手技や実験系が可能で、どのような手技や実験系が不可能かを麻酔科の実験室を見学し、確認した。 動物実験を開始するにあたり、倫理委員会の書類を作成し、信州大学動物実験等実施規程に基づいた、動物実験施設初回利用講習会の受講を行った。 プレガバリンに関する基礎研究、臨床研究の論文を再度検討し、特にプレガバリンの注腸投与の論文を抽出し、実際にラットで実験を開始するにあたり、実験計画(特にラットでのプレガバリンの注腸投与の量)が適切であるかどうかを検討した。 神経障害性疼痛モデルラットの作成を再学習し、どのモデルが今回の実験系に適切であるかどうか再検討した。信州大学麻酔科での神経障害性疼痛モデルラットの作成状況、免疫染色(マイクログリアの染色)の基礎実験の状況を見学し、手技、抗体等の適切な薬品の選択を学習した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画よりかなり遅れているのは、研究のテクニカルな問題ではなく、研究代表者の新しい環境に順応する時間的な問題や、システムの問題(信州大学では昨年度、信州大学動物実験等実施規程の見直しが行われた)が大きいと考えられる。 加えてマンパワーの問題も大きいと考えられる。緩和ケアで研修していた連携研究者が7月から麻酔科業務にもどり、実際に研究できるのは代表者のみになったためである。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者は信州大学で基礎研究を始めるにあたっての準備段階はクリアし、実際に研究できる体制になりつつある。できる限り早急に実際の研究をはじめていこうと考えている。またマンパワーの問題に関しては、今後は麻酔科業務にもどった連携研究者や麻酔科の大学院生にも協力していただき、実験をすすめていけたらと考えている。 平成29年度は、まず、神経障害性痛モデルラットにプレガバリンと生理食塩水を注腸投与した際の行動学テストを用いた疼痛閾値の比較検討を行う。具体的には、神経障害性痛モデルの作成し、2日目にHot plate test(50W projectorを使用)、Von Fry filamentを使用した行動学的テストを用い痛覚過敏であることを確認しコントロール値とする。手術後1週間で、ラットを3群にわけ、プレガバリン3mg/kg、6mg/kgをそれぞれ0.5mlの生理食塩水に溶解し注腸投与、コントロールとして生理食塩水0.5mlを注腸投与とする。薬液投与前、投与後30分、60分、120分、240分後にHot plate test、Von Fry filamentを使用した行動学的テストを行い、疼痛閾値を比較検討する。この実験系が軌道にのった段階で、脊髄後角ニューロンでのin vivo パッチクランプ記録による鎮痛効果の比較検討の実験系の準備を行い、実験を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実際の研究の開始が遅れているため、動物購入、薬品購入などの費用がかかっていないためと考えられる。また、実験が進んでいないため、学会発表や論文発表も遅れており、このような結果になった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、次年度使用額と平成29年度請求額を合わせて、実験動物、電気整理消耗品、試薬、実験成果の発表のための学会出張費、書籍や資料代金の出費を考えている。
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