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2017 年度 実施状況報告書

新たな骨髄-脳相関・骨髄由来細胞を標的とした癌性悪液質・サルコペニアの治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K09249
研究機関鹿児島大学

研究代表者

浅川 明弘  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (10452947)

研究分担者 八木 孝和  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (10346166)
安宅 弘司  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任講師 (30563358)
加藤 郁夫  神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (70509843)
網谷 東方  鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (70535674)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードミクログリア / 骨髄細胞
研究実績の概要

平成28年度に続いて、外因性の刺激に対するミクログリアの変化を解析した。高脂肪食飼育下のマウスの海馬および視床下部でのtumor necrosis factor-α (TNF-α) mRNA発現は、正常食に比べて有意に増加し、fractalkineおよびCX3CR1のmRNA発現は、有意に減少した。ミクログリア細胞株(MG6 cell line)において、fractalkine (100 nM)の投与は、炎症性サイトカイン、cyclooxygenase (COX)-2およびiNOSのmRNA発現を変化させなかったが、fractalkineは、lipopolysaccharide (LPS)(50 ng/ml)によるTNF-α、COX-2およびinterleukin (IL)-1βのmRNA発現増加を有意に抑制した。iNOSおよびIL-6のmRNA発現増加には影響を及ぼさなかった。また、fractalkineは、LPSによるp38 MAPKのリン酸化亢進を有意に抑制したが、JNKおよびNF-κBのリン酸化亢進には影響を及ぼさなかった。これらの結果からfractalkineは、p38 MAPK側のpathwayに作用してLPSの反応を抑制している可能性が示唆された。p38 MAPK activator (anisomycin) (300 nM)によるTNF-α、COX-2およびIL-1βのmRNA発現増加には、fractalkineは影響を及ぼさなかった。また、緑色蛍光タンパク質強制発現マウス(GFPマウス)の骨髄細胞を尾静脈に投与したGFPキメラマウス、さらに、GFPマウスの骨髄細胞を放射線を照射しない野生型マウスの大腿骨骨髄内に移植したマウスを作成し、次年度の実験に使用するための準備を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高脂肪食負荷マウスおよびミクログリア細胞株を用いて、外因性の刺激に対するfractalkine(ニューロン)-CX3CR1(ミクログリア)シグナルの作用とそのメカニズムの一部が解明された。また、放射線を照射しない野生型マウスの骨髄内にGFPマウスの骨髄細胞を移植する骨髄内骨髄移植を実施し、脳内におけるGFP陽性細胞の存在を確認した。これらの知見は、本研究課題において次年度以降に予定している研究の実施に有用であると考えられる。骨髄由来細胞の研究は遅れているが、ミクログリアの研究は興味深い新規知見が集積し、予定以上に進んでいる。

今後の研究の推進方策

平成30年度においても、平成28-29年度に引き続き初代ミクログリア細胞、ミクログリア細胞株において、fractalkine、LPS、レプチン、neuropeptide Y、alpha-melanocyte-stimulating hormoneなどの刺激によるCX3CR1や神経ペプチド、サイトカインの発現・分泌を検討し、外因性の刺激に対するミクログリアの変化を脳内fractalkine(ニューロン)-CX3CR1(ミクログリア)シグナルを中心に解析する。また、老化促進マウスおよび担癌マウスを用い、GFPマウスの骨髄細胞を骨髄内骨髄移植し、摂食量減少、不安増加、意欲・活動量低下、認知・学習記憶障害、腸管運動異常、筋力・筋重量低下、生存日数短縮を解析し、骨髄由来細胞の脳内集積部位との関連を検討する。

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公開日: 2018-12-17  

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