研究課題/領域番号 |
16K09251
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
南 正明 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70418739)
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研究分担者 |
牧野 利明 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (80326561)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 補中益気湯 / MRSA |
研究実績の概要 |
補中益気湯エキスによるマウス鼻腔内MRSA感染実験による保菌の改善効果の評価を行なった。遺伝子脱落を起こすMRSA株を10e3 CFUの菌液を6週齢のBalb/Cマウスの鼻腔に27G注射針を用いて経鼻感染させた。MRSAは、1菌株あたり5匹のマウスを1グループとする。マウスに経鼻感染させる時には、除痛のためにイソフルレンによる麻酔を行った。補中益気湯エキスは、体重換算でヒトの常用量の10倍量を、感染直後からゾンデ法で経口投与し、7日間飼育した。投与期間ごとに5匹のマウスを1グループとした。感染後は、1日ごとに全身状態を観察した。その後マウスを既定の飼育終了後、安楽死させ、マウス鼻腔から黄色ブドウ球菌をマッコンキー寒天培地で分離した。その後分離された黄色ブドウ球菌について、(1)MRSA選択培地で培養する、(2)菌から染色体を抽出して、PCR法とダイレクトシークエンス法を使用して、mecA遺伝子の保有を確認することで、分離された菌がMRSAかどうかの確認をした。その結果補中益気湯エキス投与マウスではMRSAは認めなかった。また黄色ブドウ球菌の感染状態のマウスの鼻腔の評価方法で、感染マウスの鼻腔の病理組織標本を作製し、光学顕微鏡で炎症細胞浸潤度を比較したが、補中益気湯エキス投与マウスでは炎症細胞浸潤は抑制されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度予定の補中益気湯エキスによる動物実験でも、MRSA保菌の抑制という予想内の結果が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
MRSAからの耐性遺伝子の脱落作用をもつ補中益気湯の成分の同定とその成分の動物実験においての有効性の評価を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)耐性遺伝子脱落や保菌抑制効果のある補中益気湯の構成成分の同定とその効果の評価がなされていない。 (使用計画)構成生薬を部分的に抜いたもしくは加えた補中益気湯での耐性遺伝子脱落実験並びに動物実験をする予定。
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