研究課題/領域番号 |
16K09257
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
内藤 俊夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (10365570)
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研究分担者 |
古庄 憲浩 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10346786)
大塚 文男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40362967)
舛形 尚 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (70263910)
森田 浩之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90252147)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 不明熱 / 成人Still病 / 血管内リンパ腫 / 感染性心内膜炎 / 家族性地中海熱 |
研究実績の概要 |
【目的】不明熱患者においては想起すべき疾患を誤ったために予後不良となる例も少なくない。我々は世界で初めて、全国的に不明熱症例を前向きに登録・データ集積し、分析を行うことにより、不明熱診断の基盤を整備する。前向き研究であるため登録バイアスを防ぐことができ、全国の総合診療科を網羅した多施設研究のため真の原因疾患や検査の有用性を明らかにすることが可能となる。 【方法】日本病院総合診療医学会所属病院から募集した20施設で、2014年11月から2017年3月に受診した古典的不明熱の定義を満たす20歳以上の患者145名を登録した。症例登録日より6ヶ月後に、自覚症状、身体所見、施行した検査、最終診断名と転帰について登録票を用いて収集した。原因・転帰について統計的に分析し、実施検査の有無と診断までの日数・予後との関連について評価した。 【結果】データ回収を終了した数は52名、未回収は53名、6ヶ月未経過例は40名であった。中間報告では診断として「不明」が最多であり、続いて「ウイルス疾患(ウイルス性髄膜炎、ウイルス性心膜炎など)」「成人Still病」、「血管内リンパ腫」、「感染性心内膜炎」、「家族性地中海熱」が頻度の高い原因であった。転帰については軽快が多かったが、原因不明のまま死亡した症例も2名認めた。 【考察】我々は2013年に不明熱の多施設共同後ろ向き研究を行っているが、「入院精査後も原因不明であった不明熱」は23.1%と少なかった。この結果は、「後ろ向き研究のため診断がついた症例のみ報告される」というバイアスの影響が考えられる。また、後ろ向き研究では最終的な予後調査が行いにくいという問題もあった。本研究では、登録バイアスの縮小、調査項目不備の防止、確実な追跡などのために症例登録による前向き試験を実施した。現在6ヶ月経過時のデータ収集と解析を並行して行っており、最新の結果を踏まえて報告する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標症例数の登録が終了し、データ解析が開始されている。
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今後の研究の推進方策 |
現在6ヶ月経過時のデータ収集と解析を並行して継続し、英文論文作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に参加施設を集めた会議を行い、論文化に向けた検討を行う予定である。
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