本研究の目的は、2型糖尿病患者において、末梢組織の亜鉛蓄積状況と血糖コントロールの関係を明らかにすることであった。本研究では、日本人糖尿病患者において組織に蓄積する亜鉛を含む微量元素を非侵襲的に測定するとともに、血清亜鉛、亜鉛・糖代謝に関連する遺伝子多型、さらには食生活等を評価し、血糖コントロールとの関連を明らかにすることで、亜鉛の食事での摂取指導及び補充療法が有用である患者群の抽出に役立てるもの考えられていた。しかしながら、昨今の新専門医制度などの影響で研究者本人が転勤を余儀なくされ、研究継続が困難となったため研究廃止に至った。 本研究に関して、当該医療機関の倫理委員会に申請を行い、測定機器や調査票などの準備も進んでいた。研究は実質的には開始しておらず、研究参加予定患者が不利益を被るような影響はなかったことは幸いであったが、研究開始に向けて準備していたところもあり、一部研究費の使用を行った。
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