研究課題/領域番号 |
16K09268
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 彰博 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50273355)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 再発がん / サルコペニア / 悪液質 |
研究実績の概要 |
再発がん患者の多くは、がん進展に伴い栄養障害が顕著となり、少しずつ運動量が減少し、次第に生活自立性が困難となる。さらにADLが低下すると、終末期でなくとも容易にBed上生活となってしまう。その予防のためには、がんと診断された時から、サルコペニアを予防する必要がある。サルコペニアの指標として、有用かつ簡便であるピンチ力測定を実施し、その有用性を実証する。ピンチ力測定による早期介入を行うことにより、再発がん患者がQOLを損なうことなく、加えて肺炎などの感染症で苦しむことなく、人生を最期の最期まで“いきいきと生き幸せに逝ける”社会を形成し、いわゆる“がん難民”を激減させる可能が遥かに向上すると考える。 藤田医科大学七栗記念病院に入院中の再発がん患者を対象に、低栄養、サルコペニア、フレイルティーに 即した現在の実態把握を行う。その結果を踏まえて統計解析を行い、血液生化学検査①総蛋白(TP)、アルブミン(Alb)、血中クレアチニン(Cr)、尿素窒素(BUN)など、②栄養パラメーターの変動…半減期の短いRTPの測定 TTR(トランスサイレチ ン)を測定し、栄養評価を行う。現在まで、悪液質関連蛋白である、Alb、TTRなどは、生命予後とも相関関係が認められるデータなどが確認されている。③悪液質関連のCRPや亜鉛、鉄、銅などの微量元素(亜鉛と銅の吸収が拮抗する観点から銅亜鉛比なども考慮)、Refeeding syndromeに関係するリン、マグネシウムなどの金属元素の分析とともに生命予後とADL、 QOLを損なう危険因子を分析する。悪液質関連蛋白であるCRPと予後との関係、亜鉛、鉄、銅亜鉛比などと悪液質関連蛋白との相関関係も確認されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初3病院で行う予定であったが、責任者が所属する七栗記念病院以外の実施は難しい状況である。加えて、終末期がん患者が対象で有り、同意取得が難しく、さらに血液検査の施行を行うことも困難である。以上の理由から、症例を蓄積することが難しい状況である。
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今後の研究の推進方策 |
藤田医科大学七栗記念病院に入院中の再発がん患者を対象に、低栄養、サルコペニア、フレイルティーに 即した現在の実態把握を帰属するとともに、データを解析し、分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在、入院時採血は、ルーチーンで測定しているため、医療保険請求可能であり、新たに測定量などは発生していない状況である。ピンチ力測定に関しても、既存の測定器具を使用しているため、新たな費用が発生しませんでした。今後、機材の破損、新たな購入物品が必要な場合、使用する可能性が発生します。
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