研究分担者 |
寺崎 文生 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20236988) [辞退]
宗宮 浩一 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (20319544)
森 禎章 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (70268192)
早崎 華 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (90257866)
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研究実績の概要 |
タコツボ型心筋症の発症機序は不明であるが、ストレスにより中枢神経から心臓交感神経に強い刺激が送られ、心臓に限局したカテコラミンの過剰放出が契機となるとされる。本研究では、質量分析法、世界最高性能を有するSPring-8 X線蛍光分析装置等の利用により、心筋細胞におけるストレス蛋白の発現ならびに微量元素動態の解明を進めた。正常およびカテコラミン投与心筋細胞をパラホルムアルデヒド固定し、測定用試料とした。飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いて、高質量分解能条件および高空間分解能条件で、心筋細胞内元素分析と分布イメージ画像を取得した。測定元素は、K, Ca, Mg, P, S,Fe, Zn, Cu, Se, I, Co, Cr, Mn, Mo, F, Si, As, Ni, V, Sn, Cd, Pb, Li, Al, Pb, B, Br, Sb, Hg, Ptの30元素。次に、詳細な心筋細胞内微量元素分析とカテコラミン投与による細胞内微量元素動態解析のため、作成した心筋細胞試料をSPring-8ビームラインに持ち込み、単一心筋細胞内に測定視野を設定し、ナノビームX線蛍光分析装置により100nm ステップで蛍光X線分析を実施した。その結果、良好な蛍光X線イメージングが得られ、一部の必須微量元素は核周囲に局在しており、細胞質周辺部に多く存在する微量元素も確認された。そして、カテコラミン投与により数種の微量元素分布に変化を認めた。また、カテコラミン投与によりストレス蛋白が過剰発現し、核周囲の細胞質に局在化する事実を見出した。
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