研究課題
本研究の目的は、心血管病の病態形成における鉄の関与と細胞内鉄取り込み受容体トランスフェリン受容体1(Transferrin Receptor 1: TfR1)の役割について解明することである。TfR1遺伝子ヘテロノックアウトマウスを用いたこれまでの検討より、慢性腎臓病の病態形成におけるTfR1の関与を見出したことから、本年度はTfR1遺伝子ヘテロノックアウトマウスを用いて尿細管結紮モデル、糖尿病性腎症モデルを作成し、腎臓病におけるTfR1の役割について、さらに検討した。その結果、TfR1遺伝子ヘテロノックアウトマウスは、野生型マウスに比し、尿細管腎臓間質の線維化や糸球体メサンギウム細胞の増生の程度が減弱することが明らかになった。本研究結果は、TfR1が慢性腎臓病の病態形成に対する治療のターゲットになる可能性を示唆する。
2: おおむね順調に進展している
尿細管結紮モデル、糖尿病性腎症モデルを用いた基礎研究より、慢性腎臓病の病態形成におけるTfR1の関与を示すことができた。
心血管病の病態形成におけるTfR1の関与をさらに検討するために、異なる動物モデルを作成し、解析を進める。そして、どのようにTfR1を抑制するのか、その制御方法についてもさらに検討する。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Heart and Vessels
巻: 33 ページ: in press
10.1007/s00380-018-1134-4.
巻: 32 ページ: 1410-1414
10.1007/s00380-017-1013-4.