本研究ではアセトアルデヒド代謝酵素(ALDH2)の活性を高める薬剤(Alda-1)が、アルコール摂取後の食道上皮におけるDNA障害を抑制する効果を有するか検討した。本研究ではヒトと同一のALDH2遺伝子変異(Glu504Lys)をノックインしたマウス(ALDH2*2マウス)を作成した。同マウスにAlda-1を投与し、肝組織中のALDH2活性を測定すると、Alda-1投与によりALDH2活性は有意に改善した。同マウスにAlda-1とともに10%アルコールを7日間飲酒させ、食道上皮に生じるDNA障害を測定すると、アルコール摂取により食道上皮に生成するDNA障害は有意に抑制された。
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