研究課題/領域番号 |
16K09291
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
井上 晴洋 昭和大学, 医学部, 教授 (90280966)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アカラシア / びまん性食道攣縮 / Nutcracker食道 / Jack-Hammer食道 / 食道運動機能障害 / 先天性食道狭窄 |
研究実績の概要 |
当院で施行したPOEM1000例の解析から、食道運動機能障害に対する治療の面からの新分類を策定した。Category Iは、「筋層切開をLESの開放のみに限定するもの」とした。この対象となるものが、「Chicago分類のType IのすべてとType IIのなかで胸痛のないもの」である。Ver, 3を含めた検討で、EGJOO(Esophago-gastric junction outlet obstruction)も含まれることが判ってきた。Category IIは、「筋層切開をLESと食道体部の両方に連続的に置くもの」であり、「Type IIのなかで胸痛のあるもの、あるいはType III」である。Category IIIは、「食道体部の筋層切開のみ」で、「びまん性食道攣縮、Nutcracker食道、Jack Hammer食道、初回POEM後の体部の異常収縮により、嚥下障害や胸痛のあるもの、先天性食道狭窄」である。この1年間で約270例のPOEMを経験して、研究開始時から、分類の詳細に変更をおこなった。すなわち、Category IにEGJOOを加えて、Category IIからhypertensive LESを削除した。またCategory IIIに先天性食道狭窄を追加した。これらの知見に基づき、さらに前向きに検討を進めたい。平成28年度にひきつづき、国際会議POEM conferenceを米国で主催しており、国際的コンセンサスに至りたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
POEMの立場からの食道運動機能障害の分類の提案、それに基づくPOEM治療ガイドラインの策定、POEMの英文教科書の出版などを手掛けていく予定である。POEM治療ガイドラインは、日本消化器内視鏡学会のプロジェクトとして、すでに進行中である。英文教科書はすでに出版社に打診中である。また、POEM conferenceは国際会議として、米国消化器病週間、および欧州消化器病週間のなかで、会議を連続的に開いている。
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今後の研究の推進方策 |
POEMの立場からの食道運動機能障害の分類の提案、それに基づくPOEM治療ガイドラインの策定、POEMの英文教科書の出版などを手掛けていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度で入金までに時間を要することから、学内の研究費で対応していたため、予定額より余った。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した分は平成29年度に使用する予定です。
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