研究実績の概要 |
我々は、LPS投与ウロコルチン2脳槽内投与ラットモデルを用いて、消化管粘膜の炎症細胞のphenotypeと胃排出能および小腸通過時間を測定し、比較検討した。LPS単独投与群、LPS+ウロコルチン2投与群、LPS+ウロコルチン2およびアコファイド投与群で検討を行った。その結果、LPS+ウロコルチン2投与群においては、回腸、空腸粘膜内のCCR2陽性細胞とCD68陽性細胞共に増加しており、固有粘膜内および筋層間においても同様の傾向を認めていた。また、ラットマクロファージ細胞であるNR8383細胞を用いて、LPSおよびウロコルチン2刺激を加えて、培養上清中のサイトカインを測定したところ、ウロコルチン2刺激により培養上清中のIL-6の抑制が認められた。これらの研究成果は現在欧文誌に投稿中である。 また、FD患者および早期慢性膵炎患者における、十二指腸粘膜内の炎症細胞浸潤と早期胃排出能を比較したところ、FD患者群、膵酵素異常を伴うFD患者群、早期慢性膵炎患者群においては有意差は認めなかった。これらの研究成果は、Yamawaki H, Futagami S, et al. Digestion, 2018および、Wakabayashi M, Futagami S, et al. PLoS One, 2018にアクセプトされている。
また、以上の研究成果は、2018年4月 第104回 日本消化器病学会において”早期慢性膵炎及び慢性膵炎疑診例に対する治療戦略-cross over試験の試み-", 2019年 2月 第15回 日本消化管学会において"早期慢性膵炎患者および機能性ディスペプシア患者を対象にしたcamostat mesilate, pancrelipase, rabeparazole投与群との比較検討”報告した。
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