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2016 年度 実施状況報告書

ピロリ菌感染に依存しない食道-胃接合部及び胃体部癌の分子病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K09299
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

河村 由紀  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 消化器病態生理研究室長 (10392391)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード癌 / 食道ー胃接合部
研究実績の概要

食道ー胃接合部癌は胃癌とも食道癌とも異なる特徴を持った癌である。ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌と、高脂肪食摂取にともなう肥満の増加に平行して我が国でも今後著しく増加すると考えられるが、その病態ならびに発生の分子メカニズムは明らかにされていない。そこで本研究では、食道ー胃接合部癌の網羅的遺伝子発現解析、エピゲノム解析(DNAメチル化解析)を行い、逆流要因(塩酸、胆汁酸)や種々の外的要因(アルコール、ニコチン、栄養成分)が及ぼす影響を分子レベルで解明することで、食道ー胃接合領域に癌が発生・進展する分子メカニズムの解明を目指す。網羅的遺伝子発現解析はRNA-シークエンスによるトランスクリプトーム解析により、網羅的DNAメチル化解析は、検体より抽出したDNAに対してメチル化CpG結合タンパク質(MBD2)を用いた免疫沈降(MeDIP)を行い、得られたDNAから作製したライブラリーを次世代シークエンサーにより解析した。初年度は、食道ー胃接合部癌の手術検体を対象として、RNA-シークエンスによるトランスクリプトーム解析より得られた病変部および非病変部(胃、食道)の発現プロファイルを比較解析し、発現レベルの異なる遺伝子を抽出後に、In silicoのパスウェイ解析、オントロジー解析を行った。トランスクリプトーム解析を施行した食道ー胃接合癌にはバレット腺癌と非バレット腺癌の両者が含まれており、両者で発現レベルの異なる遺伝子についても検索中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は当センターにおいて当初予定していた症例数よりも多くの食道ー胃接合部癌手術癌手術が行われたため、順調に解析目標症例数を達成することが出来た。そのため、食道ー胃接合癌を更にバレット腺癌と非バレット腺癌に分類した解析も試みている。

今後の研究の推進方策

初年度に引き続き、食道ー胃接合部癌症例の蓄積と、網羅的解析を進める。食道-胃接合部癌に特徴的な分子については、リアルタイムPCR法による遺伝子発現変化の確認を行う。抗体を用いた組織染色が可能な分子については後ろ向き検討も行い、タンパク質発現変化についても確認すると共に、臨床病理学的諸症状との関連を詳細に検討する。検討対象には術前診断時の生検、内視鏡的粘膜切除標本等も加え、見出した分子が食道ー胃接合部領域における発癌の診断・予知マーカーに成り得るか否かについても検証する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Fatty acids in a high-fat diet potentially induce gastric parietal-cell damage and metaplasia in mice.2017

    • 著者名/発表者名
      Hirata Y, Sezaki T, Tamura-Nakano M, Oyama C, Hagiwara T, Ishikawa T, Fukuda S, Yamada K, Higuchi K, Dohi T, Kawamura YI.
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1007/s00535-016-1291-0

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 高脂肪食が引き起こすマウス上部消化管病変2016

    • 著者名/発表者名
      平田 有基、瀬崎 拓人、樋口 和秀、河村 由紀、土肥 多惠子
    • 学会等名
      日本消化器病学会大会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター、神戸
    • 年月日
      2016-11-03
  • [学会発表] デスモゾーム関連分子であるperiplakinの発現は予後不良因子になる.-DNAメチル化と免疫染色での検討-2016

    • 著者名/発表者名
      山田 和彦、河村 由紀、萩原 輝記、土肥 多恵子、山田 純、野原 京子、山下 智、橋本 政典、矢野 秀朗
    • 学会等名
      日本消化器外科学会
    • 発表場所
      あわぎんホール、徳島
    • 年月日
      2016-07-14 – 2016-07-16
  • [学会発表] 食道癌における網羅的メチル化解析より見出されたデスモソーム関連分子periplakinと臨床病理学的検討2016

    • 著者名/発表者名
      山田 和彦、河村 由紀、山田 純、野原 京子、山下 智、萩原 輝記、大坪 武史、中野(田村) 美和、瀬崎 拓人、土肥 多恵子、枝元 良広、徳原 真、橋本 政典、矢野 秀朗
    • 学会等名
      日本外科学会定期学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場、大阪
    • 年月日
      2016-04-16

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公開日: 2018-01-16  

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