研究課題/領域番号 |
16K09304
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
澤田 武 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (60345626)
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研究分担者 |
山本 英一郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60567915)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大腸鋸歯状腺腫 / 大腸癌 / 遺伝子変異 / 遺伝子メチル化 |
研究実績の概要 |
臨床検体に関しては、金沢大学附属病院、研究協力施設である名古屋市立大学、福井県立病院、小松市民病院の倫理委員会の承認を得て、既に採取を行ったもの、今後採取を行うものを用いる予定であった。前向きに内視鏡下に採取する臨床検体に関しては、金沢大学附属病院、福井県立病院、小松市民病院の倫理審査委員会の承認を得て採取を開始したが、対象となる症例が少なく、現在集積が遅れている。検証に用いる多数の検体に関しては、従来切除され、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)されている組織を用いることとしたが、こちらは、名古屋市立大学、福井県立病院、小松市民病院の協力により、120ほどの検体の集積が終了した。集積したFFPE標本から、Qiagen社のQIAamp DNA FFPE Tissue Kitを用いて、DNAの抽出を行った。遺伝子変異の解析に関しては、従来鋸歯状腺腫(traditional serrated adenoma, TSA)、無茎性鋸歯状腺腫(sessile serrated adenoma, SSA)において変異が報告されている遺伝子に加え、鋸歯状病変において発癌への関与が疑われているWNT経路に関する遺伝子(DKK-1-4、APC、TCF7L2、FBXW7など)、RAS経路に関与する分子であるNRAS、HRAS遺伝子の変異の有無を調べるプライマーの設計を行った。現在、研究協力者に病理診断を依頼しており、病理診断が終了後、シークエンス解析を含む、次の解析に移る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
内視鏡検査、内視鏡治療を行う症例が少なく、生検検体の集積が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
病理診断が終了した後に、現在オーダーしているプライマーを用いて次世代シークエンサーで癌関連遺伝子の解析を行う。その後、残ったDNAを用いて癌関連遺伝子のメチル化解析を行う。内視鏡下に採取する検体が少なかった場合、DNAマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析は行わず、FFPE標本を用いた遺伝子変異、メチル化解析のみ行うことも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例の蓄積が遅れ、DNAマイクロアレイ解析を行わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度で使用する。もしくは、次世代シークエンス解析、遺伝子メチル化解析を行う費用に用いる。
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