今後の研究の推進方策 |
今後は、大腸癌自然発症マウスモデル(CDX2P-Cre; Apc KO、CDX2P-Cre; Apc KO + mt KRAS KI mice、CDX2P-Cre; Apc KO + TGFBRII KO miceを用いて癌の発生から浸潤・転移に至る過程を詳細に観察し、血管数やリンパ管数、CAFを含めた間質反応の定量化、間質反応誘導増殖因子、サイトカインの検索、ペリサイトの形態変化などを評価する。 大腸癌組織におけるheterogeneityの形成過程を病理組織学的に詳細に検討する。これまで間質反応の評価はヘマトキシリン・エオジン染色にて客観的に評価されていたが、我々は免疫染色手技を用いてCAFをaSMAで、ECM産生をcollagen Iで、血管新生・リンパ管内皮細胞をVEGF-A、lyve1で、ペリサイトをデスミンで評価し、画像解析ソフトにて定量化する。 また、癌細胞におけるPDGF, TGF-b, fibroblast growth factor (FGF)-2, insulin like growth factor (IGF)-2, hepatocyte growth factor (HGF)など間質形成に関与する増殖因子やサイトカインの発現をmRNAレベル(real-time PCR)と蛋白レベル(免疫染色)で評価する。 これまでの我々のマウス同所移植モデルの研究において、骨髄由来の間葉系幹細胞が大腸癌間質形成に寄与することをヒト大腸癌同所移植マウスでの動物実験で明らかとしているが、この知見を大腸癌自然発症モデルでも証明したい。
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