共同研究者の檜井らが開発した3種類のマウス大腸癌自然発症モデル(①CDX2PApcノックアウトマウス、②Apcノックアウト+変異型KRASノックインマウス、③Apc+TGFBRIIノックアウトマウス)から発生した大腸腫瘍を用いて、浸潤能や間質反応について比較検討した。Apcノックアウトマウスに形成される癌はポリープ様に増殖するが、浸潤能はなく間質反応も認めなかった。しかし、Apc変異に加え、さらにKRAS変異あるいはTGFBRⅡ変異を加えたマウスでは、間質反応を伴う浸潤性発育を示す腫瘍や粘液癌を生じた。このことから癌関連遺伝子変異の蓄積により、癌細胞に加え間質にも異常をきたすことが示された。
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