研究課題/領域番号 |
16K09321
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡本 泰幸 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (60444973)
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研究分担者 |
林 香月 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00405200)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
GFPがDNAメチル化で制御されたYB5を用いて施行したSiRNA whole genome screeningにて得られたGFPの発現をZ-SCOREで標準化して21360遺伝子より絞り込んだ92遺伝子すべてに対して独立した4つのSiRNAでノックダウンして、オフターゲット効果の除外を検討した。当初は2つ以上のSiRNAでGFPの発現が認められるものは目的遺伝子と判断して解析を進めたが、その後の検討でデータの恒常性に疑問が生じた。そこで、まず4種類すべてのSiRNAでGFPの発現が見られるものは標的遺伝子とした。また、2種類ないしは3種類のSiRNAでGFPの発現を認める場合は、各SiRNAでノックダウンした後の遺伝子発現とGFPの発現を比較して逆相関のあるものを標的遺伝子とした。以上の方法を持ちいることで最終的に17遺伝子が標的遺伝子と判断した。これら遺伝子の機能を過去の論文より検討すると、5つは同様の複合体を形成してヒストン修飾に関与していることが報告されている。また、他の3遺伝子は類似の働きがあり直接はエピジェネティクスに関連していないが、それら遺伝子のコードするたんぱく質を抑制すると、様々な遺伝子の発現が変化しそれら遺伝子のエピジェネティクスに変化を認めたという報告があった。さらにその他の遺伝子はDNAに直接結合するたんぱく質コードしており、遺伝子制御との深いかかわりが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初標的遺伝子と考えた遺伝子では、データーの安定性が得られずに結果の解釈が困難であったため予定より遅れた。しかし、すべてのSiRNA使用後の発現を確認することでデーターの安定が得られより確からしい結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今回ターゲット判断した遺伝子のエピジェネティクスに対する影響を、DNAメチル化、ヒストン修飾などの面から解析を進める
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次年度使用額が生じた理由 |
標的遺伝子の選択に苦心したため研究が遅れた。 遺伝子発現で使用したsuper MIXなどの高額試薬は研究質の在庫を使用することができた。また、コンピューターを用いた解析に時間を多く費やした。
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次年度使用額の使用計画 |
選択したターゲット遺伝子に対する抗体の購入やRNA-seqを施行するための試薬が必要である。
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