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2018 年度 実績報告書

遺伝子ネットワーク摂動による人工的な転移性大腸癌の作製

研究課題

研究課題/領域番号 16K09325
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

股野 麻未  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (20439889)

研究分担者 佐藤 俊朗  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (70365245)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード大腸がん / オルガノイド
研究実績の概要

当研究室では,ヒト正常大腸上皮から作成した遺伝子改変オルガノイドを浸潤・転移をきたす悪性度の高い大腸癌の形成には至っていない.その再現に当たり,本研究ではその原因をエピジェネティクスな変化の関与と想定し,その転写因子群を同定することで大腸発癌機構の解明,創薬に結びつけることを目的とした.
具体的なアプローチとして,まず転写因子群同定のために当研究室が保有する大腸癌と正常大腸上皮のデータベースを用いて想定される転写因子の抽出を行った.その遺伝子の過剰発現ベクターを作成し,次に悪性化の指標の一つと考えられるエピレギュリン(EREG)に着目し,内在性のEREG転写に応じて蛍光タンパクが発現するアッセイ系を作製した. これにより,悪性化指標のEREGが発現する遺伝子群の同定が可能となった.本年度はこのアッセイシステムと複数の転写因子の過剰発現系を組み合わせることで大腸癌の悪性化因子に関する検討を行った.これらのアッセイ系を用いてランダムな転写因子の組み合わせを再現し,遺伝子改変ヒトオルガノイドで転写因子の過剰発現を行った.しかし,結果的にはいずれの組み合わせにおいてもそれらの因子をもってマウスで肝転移をきたすような悪性度の高い大腸癌の形成には至らなかった.
その原因として,選択した転写因子が正しくなかった可能性,悪性化の指標とした用いたEREGが妥当な代替マーカーではなかった可能性,過剰発現ではなく機能欠失を行うべきであった可能性等複数の原因が推察された.今後はこれらの可能性を今回のデータと検討した上で更なる対策を立て,引き続き大腸上皮の悪性化因子を幅広く検索したいと考える.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Divergent Routes toward Wnt and R-spondin Niche Independency during Human Gastric Carcinogenesis.2018

    • 著者名/発表者名
      Nanki K, Toshimitsu K, Takano A, Fujii M, Shimokawa M, Ohta Y, Matano M, Seino T, Nishikori S, Ishikawa K, Kawasaki K, Togasaki K, Takahashi S, Sukawa Y, Ishida H, Sugimoto S, Kawakubo H, Kim J, Kitagawa Y, Sekine S, Koo BK, Kanai T, Sato T.
    • 雑誌名

      Cell

      巻: 174 ページ: 856-869

    • DOI

      10.1016/j.cell.2018.07.027.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Human Intestinal Organoids Maintain Self-Renewal Capacity and Cellular Diversity in Niche-Inspired Culture Condition.2018

    • 著者名/発表者名
      Fujii M, Matano M, Toshimitsu K, Takano A, Mikami Y, Nishikori S, Sugimoto S, Sato T
    • 雑誌名

      Cell Stem Cell

      巻: 23 ページ: 787-793

    • DOI

      10.1016/j.stem.2018.11.016.

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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