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2018 年度 実績報告書

小腸粘膜防御因子DAOの腸内細菌と宿主による制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K09327
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

笹部 潤平  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10398612)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードD-アミノ酸 / 腸内細菌 / 宿主-細菌相互作用 / 粘膜免疫
研究実績の概要

本研究では、小腸のD-アミノ酸代謝の鍵となるD-アミノ酸酸化酵素DAOの発現調節機構を明らかにするとともに、DAOの宿主免疫への寄与について明らかにすることが目的である。
初年度では、小腸DAOの発現誘導には細菌成分が必須であることを明らかにし、MyD88やRIPK2を介さない通常のパターン認識機構を介さない機構で誘導されていることを明らかにした。昨年度は、さらにDAOによる細菌性D-アミノ酸の代謝は、T細胞依存的なB細胞の分化刺激と、T細胞非依存的なB細胞の増殖の両方に関与していることを明らかにした。本年度は、昨年度までに明らかにしたDAOによるB細胞刺激のメカニズムを検討した。
T細胞依存的なB細胞の刺激はDAOに感受性の高い腸内細菌を介して行われていることを明らかにし、DAO非感受性細菌はT細胞依存的な経路刺激には関与しないことが判明した。一方で、T細胞非依存的な刺激はDAO非感受性細菌によっても行われ、DAO非感受性細菌由来の代謝物(DAO基質)が遠位小腸上皮に作用して炎症刺激を誘発し、その結果としてB細胞増殖刺激となることを明らかにした。
これらの結果は、小腸における腸内細菌によるDAO誘導と、DAOによる細菌性D-アミノ酸代謝、を介した細菌-宿主相互作用が、宿主免疫構築に深く関わってることを示している。今後は、D-アミノ酸調節による宿主免疫調節が疾患制御にどのように関わっているかを明らかにして行きたいと考えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件)

  • [雑誌論文] Distinctive roles of D-amino acids in the homochiral world: chirality of amino acids modulates mammalian physiology and pathology2019

    • 著者名/発表者名
      Sasabe J, Suzuki M
    • 雑誌名

      Keio J Med

      巻: 68 ページ: 1-16

    • DOI

      10.2302/kjm.2018-0001-IR

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Emerging role of D-amino acid metabolism in the innate defense2018

    • 著者名/発表者名
      Sasabe J, Suzuki M
    • 雑誌名

      Frontiers in Microbiology

      巻: 9 ページ: 933

    • DOI

      10.3389/fmicb.2018.00933

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] アミノ酸のキラリティがつくる宿主-細菌相互作用2019

    • 著者名/発表者名
      笹部潤平
    • 学会等名
      第52回日本無菌生物ノートバイオロジー学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] アミノ酸のキラリティがつくる宿主-細菌相互作用2019

    • 著者名/発表者名
      笹部潤平
    • 学会等名
      次世代酵素学研究セミナー徳島大学
    • 招待講演
  • [学会発表] アミノ酸のキラリティが調節する生理機能2019

    • 著者名/発表者名
      笹部潤平
    • 学会等名
      第178回分泌セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] D-アミノ酸に着目した医学の新展開2018

    • 著者名/発表者名
      笹部潤平
    • 学会等名
      新アミノ酸分析研究会 第8回学術講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 腸内D-アミノ酸代謝と腸管粘膜防御2018

    • 著者名/発表者名
      笹部潤平
    • 学会等名
      千里ライフサイエンスセミナーL5「マイクロバイオーム研究:基礎から臨床応用への展開」
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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