本研究では、小腸の粘膜防御因子であるD-アミノ酸酸化酵素DAOの制御機構、およびDAOによる宿主免疫調節機構について明らかにした。DAOは腸内細菌叢によって誘導され、MyD88やRIPK2などの一般的なパターン認識受容体の下流分子は誘導には関与しないことを見出した。また、DAOは細菌のD-アミノ酸を代謝することにより、(1)DAO感受性細菌によるT細胞依存的な獲得免疫系の賦活化、(2)細菌性D-アミノ酸によるT細胞非依存的な獲得免疫系の容量増加、の2種類のメカニズムで宿主免疫の調節を行っていることを明らかにした。
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