研究実績の概要 |
大腸癌培養細胞株DLD-1より耐性株 DLD/F 、SW480 より耐性株SW/Fを、低濃度の5-FUに暴露することで樹立した。またDLD-1担癌マウスに5-FUを腹腔内投与を繰り返すことで2種の耐性株(mD/F1、mD/F2)を樹立した。5-FUのIC50はDLD-1: 7.64±0.25μM, DLD/F: 41.23±0.24μM, SW480: 4.19±0.35μM, SW/F: 21.28±0.20μM, mDLDcontrol: 4.23±0.12μM, mD/F1: 17.68±0.14μM, mD/F2: 19.78±0.13μMであった。5-FU耐性株と親株にたいしmiRNAアレイを施行し、薬剤耐性に関与すると考えられるmiRNAを拾い上げた。その内の一つであるmiR-Xは耐性株で発現が増加していた。miR-XのインヒビターをDLD/Fに導入すると薬剤耐性能が低下した。IC50の倍量の濃度の5-FUをDLD-1とDLD/Fに投与すると、miR-Xの発現レベルが増加した。一方DLD-1にmimic miR-Xを導入すると薬剤耐性能が増加した。臨床検体では進行癌で高頻度にmiR-Xが高発現していた。現在、microRNAのデータベースよりmiR-Xのターゲットとなる候補蛋白のうち、最も疑わしいと考えている蛋白を選び出した。
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