2018 年度研究成果報告書

HBVジェノタイプ特異的免疫抑制反応解析による新規治療法開発

研究課題

PDF

研究課題/領域番号	16K09335
研究種目	基盤研究(C)
配分区分	基金
応募区分	一般
研究分野	消化器内科学
研究機関	名古屋市立大学
研究代表者	近藤泰輝名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (70455822)
研究期間 (年度)	2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード	miRNAs / PD-L1 / HBV
研究成果の概要	本研究ではHBVジェノタイプBとCで異なる免疫反応を誘導しうるmiRNAsを同定することを目的とした。結果としてmiR34cのみHuh7細胞内とエキソソーム中の両方においてジェノタイプBとC で有意に異なる発現をしていることを見出した。ネットワーク解析の結果、miR34cはPD-L1発現とアポトーシス誘導に関わりうることを見出した。細胞内にmiR34c mimicを導入した結果、単球のPD-L1発現が抑制された。エキソソーム中のmiR34cはジェノタイプCでBと比較して有意に低いため、PD-L1の免疫細胞での発現がジェノタイプCで抑制されていない可能性が示された。
自由記述の分野	肝臓病学
研究成果の学術的意義や社会的意義	HBVジェノタイプBとCでは免疫反応が異なることが想定されていたが、メカニズムについては未だ不明な点が多かった。本研究によりmiR34c発現がジェノタイプBとCで異なることを見出した。このmiR34cの発現をコントロールすることによりHBV特異的な免疫反応を効率良く誘導出来る可能性があり、その結果としてウイルスの排除に役立つ可能性がある。HBVは未だ生体内から排除することが難しく、今回の結果は、これらの問題の解決に寄与する可能性がある。