研究課題
昨年度は、HBVコアプロモーターレポーター細胞を用いてカイメン由来の抗HBV化合物metachromin Aを同定し、その抑制機序も解明した。今年度はファーストスクリーニングをHepG2.215.7細胞をスクリーニング系として用い、海洋生物由来の化合物ライブラリーから抗HBV活性を有する化合物のスクリーニングを行った。その結果、カイメン由来の化合物アレナロールがHBVの増殖を抑制することを見出した。しかし、アレナロールはあまり強い抗HBV活性が無かったため、アレナロールの誘導体20種を合成して、アレナロールより高い抗HBV活性を有する化合物の探索を行った。その結果、化合物HYTO-20がアレナロールより高い抗HBV活性を有し、更に、HBVコアプロモーターの転写活性を抑制することによりHBVの増殖を抑制することを見出した。また、HYTO-20とHBVコアプロモーターの転写抑制活性との構造活性相関を確認するために、HYTO-20の誘導体を作製し検討を行った。その結果、HYTO-20の水酸基が重要であることが判った。次に、HYTO-20のHBVコアプロモーターの転写活性抑制の機序について検討を行った。その結果、MG132を一緒にHYTO-20を処理した際に、HYTO-20のHBVコアプロモーターの転写活性抑制がキャンセルされることから、HYTO-20はHBVの転写を制御している転写因子のタンパクを分解することにより、HBVコアプロモーターの転写活性を抑制する可能性が示唆された。更に、metachromin AはHBVコアプロモーターHNF4αのタンパクの分解を促進しHBVコアプロモーターの転写活性を抑制したため、同様の機序を考えHNF4αについて検討を行ったが、HYTO-20を処理することにより細胞内のHNF4αタンパクの低下は見られなかった。
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Hepatology Research
巻: 49 ページ: 51-63
10.1111/hepr.13277
PLoS One
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https://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical_basic/microbio/Microbiology_Yamanashi_Uni_Japanese/Home.html
http://nerdb-re.yamanashi.ac.jp/Profiles/319/0031900/profile.html