高脂肪高フルクトース高コレステロール飼料を与えたNASHモデルマウスを作成した。NASHモデルマウスおよびにコントロールマウスから血液を採取し、血漿を分離した。qEV10カラムを用いて血漿から細胞外粒子(EV)分画を抽出し、濃縮カラムを用いて濃縮した。回収したEVをマウス大動脈平滑筋細胞(MASMC)の培養液に添加し、24時間後の遺伝子発現の変化をリアルタイムRT-PCRにより検討した。また、リアルタイム細胞アナライザー(xCELLigence system)を用いて細胞遊走能を解析した。 これらの実験結果から高脂肪高フルクトース高コレステロール飼料を16週間投与したNASHモデルマウスではコントロール食を与えたマウスと比べ有意な体重の増加と、週数に依存して肝臓の高度な脂肪化を認めた。NASHモデルマウスの血漿中のEV粒子数はコントロールマウスと比べて高値であった。NASHモデルマウス由来のEVを添加したMASMCはコントロールマウス由来のEVを添加した群に比べ、MMP3、MCP-1遺伝子発現の亢進を認めた。また、NASHモデルマウス由来のEVを添加したMASMCはコントロール群に比べ有意に遊走能の亢進を認めた。
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