• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

RNAiスクリーニング法にて同定された肝癌における新規癌関連遺伝子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K09357
研究機関京都大学

研究代表者

高井 淳  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80760587)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード肝癌抑制
研究実績の概要

Global RNAiスクリーニング法の結果を参照し、EpCAM陽性肝癌細胞の維持に重要な役割を果たす遺伝子の候補として、PMPCBを選出した。5種類のPMPCB shRNAをレンチウイルスベクターを用いてEpCAM陽性のHuH1細胞およびHuH7細胞に感染させたところ、いずれのshRNAを導入した群においても、qRT-PCRおよびflow cytometryにてEpCAM発現の有意な低下が認められた。また、上記2種類の細胞株にPMPCB shRNAを導入し、colony formation assay, spheroid formation assayおよびcell titration assayを施行したところ、PMPCB-shRNAが細胞コロニー形成の抑制、スフェロイド形成抑制、細胞増殖の抑制に強く関与していることが判明した。
一方、PMPCBがミトコンドリア機能の維持における役割を明らかにするため、上記と同様にHuH1細胞およびHuH7細胞にPMPCB-shRNAを導入し、ミトコンドリア機能の指標である酸素消費率・ATP産生能・活性酸素産生量について検討したところ、PMPCB-shRNA導入群においては酸素消費率とATP産生の低下を認め、活性酸素産生量については上昇を認めた。これらの結果はミトコンドリア機能がPMPCB-shRNAによって障害されていることを表しており、PMPCBがミトコンドリア機能の維持に必須の分子であることを示唆するものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は、PMPCBとEpCAMの発現の相関関係およびEpCAM陽性細胞の増殖におけるPMPCBの役割を示すことを第一の目標としていたが、in vitroの実験でPMPCBがEpCAM陽性細胞の維持およびその増殖に必須であることを示すことができたため、研究計画は概ね順調に進展しているものと考えている。また、ミトコンドリア蛋白の処理に関わる本分子がミトコンドリア機能の維持に強くかかわることを示すことができたのも大きな進展と考える。

今後の研究の推進方策

次年度以降はPMPCBAがEpCAM陽性細胞の維持にどのように関わっているのか、そのメカニズムに関してin vitroおよびin vivoの両面より検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Genetic basis of hepatitis virus-associated hepatocellular carcinoma: linkage between infection, inflammation, and tumorigenesis.2017

    • 著者名/発表者名
      Takeda, H., Takai, A., Inuzuka, T. and Marusawa, H.
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology

      巻: 52 ページ: 26-38

    • DOI

      10.1007/s00535-016-1273-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] MSH2 dysregulation is triggered by proinflammatory cytokine stimulation and is associated with liver cancer development.2016

    • 著者名/発表者名
      Eso, Y., Takai, A., Matsumoto, T., Inuzuka, T., Horie, T., Ono, K., Uemoto, S., Lee, K., Edelmann, W., Chiba, T. and Marusawa, H.
    • 雑誌名

      Cancer Research

      巻: 76 ページ: 4383-4393

    • DOI

      10.1038/srep45605

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi