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2017 年度 実施状況報告書

自己免疫性肝疾患におけるNETs・EETsの病態への関与

研究課題

研究課題/領域番号 16K09364
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

大平 弘正  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90274951)

研究分担者 阿部 和道  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30468128)
渡辺 浩志  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40336467)
高橋 敦史  福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (40404868)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード自己免疫性肝炎 / NETs / cfDNA / ANCA
研究実績の概要

29年度の検討内容として、自己免疫性肝炎(AIH)患者生検肝組織におけるNETsの存在の確認をShiogamaらが報告(Acta Histochem Cytochem 2016)したホルマリン固定パラフィン切片を用いて好中球細胞質成分のラクトフェリン免疫染色とssDNA免疫染色を行い、肝組織内での網目状構造(NETs)の存在を確認した。35例のAIH組織のうち、9例においてNETsが確認された。さらに、血液中のNETsの確認法であるcirculating free DNA (cfDNA)を45例のAIH患者血清で検討すると、495.8+/-175.3 ng/mlとC型慢性肝炎(20例)、健常人(20例)と有意にAIHで高値であり、NETsの存在が裏付けされた。しかし、肝組織の陽性所見との明らかな関連は認められなかった。さらに、AIHにおける対応抗原の同定においてはANCA panel kitを前年度と異なるkitを用いて46検体について測定を行ったところ、陽性の検体はPR3、MPO、BPI、Elastase、Cathepsin G、Lysozome、Lactoferinがそれぞれ、26検体(56.5%)、8検体(17.4%)、19検体(41.3%)、23検体(50.0%)、19検体(41.3%)、32検体(69.6%)、5検体(10.9%)で陽性所見が得られた。なお、好中球細胞質抗原として既報告のあるFtsZ蛋白を用いたウエスタンブロットによる検討においても、蛋白陽性スポットが検出されたが、他疾患の血清においても陽性となり、AIHに特異性は認めなかった。さらに、健常人およびAIH患者から好中球を末梢血から分離・培養し、ANCA抗体陽性患者血清から抽出したIgG分画を各wellに添加しNETs誘導を開始している。これまで健常人の好中球をTNFαおよびPMA刺激にてNETsが形成されることを確認できており、AIH患者血清から分離しIgG分画、内皮細胞との共培養を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自己免疫性肝における肝組織でのNETsの確認と血液中でのNETsマーカーであるcfDNAが他疾患で高いことが明田となった。ANCAの対応抗原の検索でもkitを変更することで、陽性検体を確認することができている。好中球の培養実験で予定通り、NETsの誘導と内皮細胞、末梢血単核球との共培養実験が進んでいるため。

今後の研究の推進方策

ANCA陽性AIH患者および抗EPO抗体PBC陽性患者血清からIgG分画を抽出し、各wellに添加しNETs、EETs誘導を確認する。NETsの陽性コントロールとしてPMA、リコンビナントTNFを刺激として用いる。また、AIH患者から末梢血単核球を分離・共培養し、培養上清中のBAFFおよびIFN濃度をELISAキットにて測定する。また、ANCA陽性患者血清から抽出したIgG分画を各wellに添加しNETs誘導し、ヒト培養類洞内皮細胞と共培養し、細胞障害性について評価する。さらに、ANCA対応抗原蛋白を用いてCpGDNAをアジュバンドとした疾患モデルマウスの作成を行う。

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公開日: 2018-12-17  

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