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2016 年度 実施状況報告書

肝細胞プロファイリングに基づくヒト慢性肝不全の病態解明と新規治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K09367
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

西川 太一朗  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90433250)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード肝細胞 / 慢性肝不全 / 細胞プロファイリング
研究実績の概要

本研究は、慢性肝不全の病態をひき起こしている肝細胞のエピジェネティックな形質変化およびそれを引き起こしているマスター因子の同定を行い、細胞リプログラミング技術を用いた新規の慢性肝不全の治療法を開発することを目的とし、その実現に向けた取り組みとして、今年度の研究成果は主に以下の2点に分けられる。
1.ヒト慢性肝不全の病態解明のために、ヒト非代償期肝硬変の肝組織検体からコラゲナーゼ灌流法にて分離肝細胞の採取を行った。毎回viability>80%以上、plating率80%以上の良好な条件で肝細胞を採取できる灌流プロトコールを確立した。自施設内で正常肝組織の入手は困難であったことから、正常の分離肝細胞については同等の条件で採取された市販化サンプルを入手し、解析に用いた。
2.採取した分離肝細胞をin vitroの条件で培養し、細胞機能について解析を行った。その結果、正常肝細胞と比較すると病態肝からの肝細胞ではアルブミン産生・尿素合成能等の肝細胞機能の低下を認め、慢性肝不全の病態では細胞数の減少だけでなく、個々の細胞レベルでの機能低下が病態に寄与している可能性が示唆された。また同時に、今回用いた培養系では、培養開始後72時間までは肝細胞の形態、機能が維持されることが確認できた。
現在、肝不全肝細胞に生じた細胞プロファイリングの変化を検証するため、アレイ解析に用いるtotal RNAおよびmiRNAサンプルを細胞サンプルから抽出保存すると同時にhybridization反応の物品準備、解析手法の確認を行い、必要なサンプル数がそろい次第に解析を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト慢性肝不全症例(HCV肝炎症例、NBNC症例)9症例より、分離肝細胞のサンプリングと細胞機能解析が可能であった。また対象コントロールとして市販化されている正常肝ドナーよりの分離肝細胞のサンプリング(3症例)も終了し、機能不全肝細胞との比較検討が可能であった。若干のサンプル数を付け加えたのちに、本年度の検討課題を進める予定である。

今後の研究の推進方策

ヒト症例より肝不全肝細胞のサンプリングを引き続き行い、解析に必要なサンプル数を確保する。
ついで、肝不全肝細胞での細胞機能低下を引き起こしているエピジェネティックな制御機構について検証を行う。まずはmRNAおよびmiRNA発現アレイを行い、肝不全病態で有意に変化を受けている細胞内シグナルおよびマスター因子の同定を行う。
また、AAVベクターを用いて発現変化のあったマスター因子の導入により、不全肝細胞での細胞機能および遺伝子発現プロファイリングが回復するかどうかについてもin vitro解析により検証を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 慢性肝不全モデルを用いた疾患リプログラミングによる肝再生治療の開発2016

    • 著者名/発表者名
      西川 太一朗、竹谷 祐栄、 伊藤 義人
    • 学会等名
      第58回日本消化器病学会大会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      2016-11-04 – 2016-11-04
  • [学会発表] 食事誘導性マウスモデルにおけるNAFLDの病態進展と脂肪組織加齢との関連性2016

    • 著者名/発表者名
      竹谷祐栄、西川太一朗、原祐、瀬古裕也、石破博、岡嶋亮、楳村敦司、山口寛二、森口理久、角田圭雄、安居幸一郎、伊藤義人
    • 学会等名
      第58回日本消化器病学会大会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      2016-11-04 – 2016-11-04

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公開日: 2018-01-16  

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