研究課題
Othello仮説に関しては,signature RASが認められないのにvirologic failureとなる要因として,NS5A-L28M/R30Qなどのアミノ酸置換を明らかにしたが,これら株が不成功になった場合に生じるNS5A-L28M/R30Q/Y93H株のみならず,より高度耐性であるNS5A-L31V/Y93H株,NS5A-K92K株であってもglecaprevir(GLE)/pibrebtasvir(PIB)による治療でSVRを達成できることを明確にした。一方,2-ヒット仮説に関して,NS5A-P29delないしNS5A-P32delの成立機序を検討した。HCV-NS5A蛋白はS26からS37が膜貫通部分とdomain-1を繋ぐリンカー領域であることを明確にした。また,NS5A-P29delないしNS5A-P32delを呈するHCVの見られる11症例を全国共同研究で集積し,これら欠損株の発端となるHCV株は,deep sequencing後に系統樹解析をしても一定のクラスターを形成しないが,NS5A-K26ないしL31に変異を有する頻度が高く,これがP29,P32の欠損に関与することを見出した。また,NS5A-P32del株はNS5A-Y93H株が出現すると自然消滅する場合があることを見出したが,同株が減少してdirect sequencingで見られなくなっても,deep sequencingでminor cloneとして残存している場合は,GLE/PIBによるDAA治療でもvirologic failureに陥ることを明らかにした。また,HCV-RNAの解析に第3世代のnanopore sequencingを導入した。同方法はミスリードが多いが,majorな塩基配列を選ぶことで,direct sequencingの代用とするシステムを確立した。Genotypeが不明のHCV株でも,約2日で全長塩基配列を同定することが可能になっている。
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