研究課題/領域番号 |
16K09372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
持田 智 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20219968)
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研究協力者 |
中山 伸朗
内田 義人
植村 隼人
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Hepatitis C virus / Direct-acting antivirals / RAS / NS5A複製複合体阻害薬 / NS5Bポリメラーゼ阻害薬 |
研究成果の概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)は国民病である肝癌の原因でるが,そのライフサイクルに干渉する経口薬が登場し,対部分の症例でウイルス排除が可能となった。しかし,一部の症例では,耐性アミノ酸変異(RAS)が出現して,治療が不成功となる。まず,NS5A複製複合体阻害薬に対するRASの成立機序を検討し,治療前にRASがないにも拘らず不成功となる機序としてOthello仮説を,NS5A-P32欠損のような高度耐性株が出現する機序として2-ヒット仮説を実証した。また,NS5Bポリメラーゼ阻害薬に対する感受性低下の要因としてNS5B-A218Sを発見し,これをTom & Jerry現象と命名した。
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自由記述の分野 |
消化器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DAAs治療不成功はNS5A-L31M/Y93Hで生じるが,これがない場合の不成功要因としてNS5A-L28M/R30Qを見出した。この置換は耐性でないが,耐性NS5A-L28M/R30Q/Y93Hが混在し,これが野生株と置換した(Othello現象)。一方,NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬で不成功時には,NS5Aの塩基配列が変化し,NS5A複製複合体阻害薬投与後に高度耐性NS5A-P32欠損が発生した(2-ヒット現象)。一方,NS5Bポリメラーゼ阻害薬の効果はNS5B-A218Sによって減退することを見出した(Tom & Jerry現象)。これらの解明でRAS発生を防ぐ治療法確立に貢献した。
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