研究課題/領域番号 |
16K09376
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
高梨 正勝 東京医科大学, 医学部, 講師 (80312007)
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研究分担者 |
上田 しのぶ 東京医科大学, 医学部, 助手 (00521874)
須藤 カツ子 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (50126091)
村上 善基 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00397556)
梅澤 明弘 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 再生医療センター, 副所長/再生医療センター長 (70213486)
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (80251304)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝炎 / iNKT細胞 |
研究実績の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis:NASH)のiNKT細胞による治療法を開発するために、疾患モデル動物の作成を試みた。 モデルマウスを作成するため、ストレプトゾトシン(STZ)を生後2日目のマウスの皮下に投与し、3週間後より高脂肪食を12週間給餌した。その後、これらの動物を解析し、STZによるこの誘導系がNASHモデルマウスに適するか評価した。 血清生化学的解析結果からSTZ投与群では非投与群と比較して、血液中の中性脂肪の増大を認めた。病理組織学的な解析から、肝臓での脂肪の取り込みによる肝実質細胞の変性が認められてた。一部の組織では炎症細胞の組織への浸潤、さらに、癌化した細胞が観察された。しかし、NASH組織でみられる肝臓線維化は形体的には観察されなかった。また、NASHか肝細胞癌への進行上にある肝臓硬変化を確認することは出来なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非アルコール性脂肪性肝炎のモデル動物の作成が病態モデルまでには至っていない。肝臓への脂肪の蓄積による肝機傷害などは認められるが、炎症などの病態モデルは組織学的に認められないため、治療に有用なT細胞を分離することが難しいため、計画から遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、モデル動物として使用しているマウスはC57BL/6Jマウスである。NASH患者は肝臓だけでなく、生活習慣病も罹患している割合が高いため、肝臓だけの傷害以外にも、血管を含む循環器系の疾患(例えば、高脂血漿症や高コレステロール)なども併発していことから、このような生体内に近い環境下での個体でモデル動物を作成することを計画している。具体的にはC57L/Jマウスを導入し、高コレステロール食による動脈硬化症の誘導を基にNASHモデルの作成を行うことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
モデル動物作成後の解析結果から、次の研究ステップでの病態解析を行うまでに至っていないため、研究試薬等の購入に計画とのずれが生じた。疾患モデルマウスでは血管に異常を来す系統の個体を導入し、肝臓への負荷に対する評価を組織学的に解析し、組織に存在するリンパ球の解析を特異的抗体を用いて解析する予定である。
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