研究課題
ウイルス肝炎の制御が可能となった現在、肝疾患診療の中心は脂肪性肝疾患に移りつつある。現在各国で脂肪性肝炎に対する治療法の検討が進められ、P-II, P-IIIレベルの治験がすでに行われている薬剤もある。脂肪性肝疾患患者の血清中の酸化ステロール(OS)の増加から、肝並びにマクロファージでの非酵素的OSの産生並びに異化のバランスが細胞障害や炎症の促進を引き起こすという仮説をたて、まず脂肪性肝疾患患者のマクロファージに着目した。現段階ではヒトからの単球分離、マクロファージへの分化の方法論確立に時間が経過している。すなわち必要な単球の収量が少なく、マクロファージとして十分な検体量を回収することができていない。一方、対象となるNASH及びNAFLD患者については栄養学的な基礎データを蓄積するための一般的な血液検査などが進んでおり、マクロファージ回収の手順が確立できれば必要なデータセットのサンプリングが可能な状態に近づきつつある。
3: やや遅れている
マクロファージの調整において、基本的に収量が少ないこと。また、肝マクロファージと循環血中マクロファージの相関を捉える方法が見出せないこと。
THP-1細胞などを用いた検討にて酸化ステロールの役割を先に検討する。
マクロファージまでの誘導が進まず、患者サンプルの収集に至らず分離用機材の追加注文をしていないため。また、得られたサンプルの酸化ステロールを分析する過程まで至っておらず、LC-MS/MS用の試薬も多く使用していないため。
上述したように、THP-1細胞を用いた検討を先行させる。また、引き続きヒトからのマクロファージ分離プロトコールを確立することに注力し、完成後多くのヒト検体を実際に収集する。
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Hepatology Research
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10.1111/hepr.12910