研究課題/領域番号 |
16K09377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
池上 正 東京医科大学, 医学部, 教授 (40439740)
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研究分担者 |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 酸化ステロール / 胆汁酸 / acidic pathway / NASH |
研究成果の概要 |
NASH患者では核内レセプターFXRを介した脂質・糖質の代謝の不全がその原因とされ、FXRに対するアゴニストが治療薬剤として欧米では使用されている。本研究では不死化ヒト肝細胞でもFXR刺激によって肝細胞の脂肪沈着が減少することを確認した。一方、我々の測定した日本人NASH患者の血中胆汁酸分画はFXRのアゴニストとしての親和性はむしろ増加しており、またFXR活性化により抑制されるべきCYP7A1のサロゲートマーカーであるC4は変化なく、日本人NASHでFXRシグナリングが抑制されているのかどうかについて新たな疑問が生じた。この問題を克服すべく、ヒト型胆汁酸分画を有するモデル動物を開発した。
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自由記述の分野 |
消化器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化ステロールの発生場所と考えたマクロファージについて注目したが、直接的に細胞内での発現レベルなどを解析するまでには至らなかった。しかし、酵素的酸化ステロールが生まれる胆汁酸合成経路のAcidic pathwayがNASH患者では優位になっていること、さらにacidic pathwayで産生されるCDCAが炎症性サイトカインの産生を介してFXRシグナリングとは別の経路で病態に関与していることが示された。これらのデータから、人種差や動物の種差などの影響が無視できないことがわかり、特に胆汁酸代謝を変動させる薬剤について、今後前臨床データの解釈には注意を払う必要があることを示した。
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